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ホイチョイプロダクションズの東京コンシェルジュ キーワードは「蒸圧蒸留の芋」焼酎バーで好みの芋焼酎を探す
小平一雅 焼酎は過去3回ブームになっています。第1次焼酎ブームは70年代初め、薩摩白波のテレビCMによってもたらされた焼酎6水4の「ロクヨン」ブーム。第2次は、80年代半ばの缶チューハイ・ブーム。そして現在が原材料の味わいが残る乙類焼酎(別名本格焼酎)による第3次ブーム。
そもそも焼酎は、ポリフェノール含有量がワインより多く(=一部の芋焼酎)、血栓を溶解する作用があり、通風の原因となるプリン体はほとんどゼロ(同じ量でビールの27分の1)。低カロリーで、アルコールが日本酒のように栄養素と結びついていないので分解が早く酔いが残らない等、健康面ではいいことずくめ。
今回は、焼酎バーについてお話ししましょう。

酎のルーツは、ウィスキー(12世紀〜)やブランデー(13世紀〜)より古い歴史を持つタイの蒸留酒ラオロン (10世紀〜)。このラオロン酒は、15世紀頃、海路を通って、当時海洋国家として繁栄していた琉球王国に伝来(沖縄の泡盛の原材料はタイ米。タイから伝わったことは明らかです)。そして、奄美大島(ここではサトウキビを原料とした黒糖焼酎が発達します)を経て、薩摩に伝来します。
薩摩では昔から芋は年貢徴収の対象外だったため、農民は積極的に芋を栽培していましたが、水分の多いサツマイモは日持ちが悪く、収穫後すぐに加工しなければならない事情がありました。そこに蒸留の技術が伝わったため、薩摩では、芋を原材料とした蒸留酒が発達。その技術が周辺の熊本・大分・宮崎に伝わり、芋だけでなく、米・麦・胡麻・しそなど様々な作物で蒸留酒が作られるようになり、九州南部が一大蒸留酒王国となってゆきます。
焼酎専門店に行けばすぐわかることですが、今日、東京で飲まれている焼酎の8割までが九州・沖縄・奄美産。つまり、焼酎は南国の地酒なのです(ちなみに、『泡盛』は沖縄産、『黒糖焼酎』は奄美諸島産の焼酎だけが名乗れる名前。焼酎はシャンパンのように原産地呼称が定着しています)。

ころで、一般に酒の蒸留法には『連続式』と『単式』の二つの方法があります。
連続式とは、蒸留酒を工業製品として大量生産するために19世紀に開発された製法で、単式の蒸留機を複数並べて連続的に蒸留し、アルコール純度をどんどん上げてゆく方法。この方法で蒸留された濃度の高い原酒を割り水して作られる焼酎が、甲類焼酎です。甲類焼酎は、純粋アルコールにより近く、雑味のないスッキリした味わいが特徴。缶チューハイや居酒屋でのサワー・ブームの立て役者が、このタイプの焼酎です。
一方、単式蒸留は、中世から伝わる原始的製法。この製法で作られた蒸留酒は、味や匂いにクセがあり、万人好みとは言えないものの、素材の味が残っており、味わい深いのが特徴。焼酎で言うと、乙類焼酎(別名・本格焼酎)がそれ。ちなみに、人気のシングルモルトウィスキーも蒸留法は単式です。

らに、同じ単式蒸留にも、圧力を下げて沸点を低くすることで、生産量を増やす減圧蒸留いいちこ二階堂がそれ)と常圧蒸留とがあり、前者はスッキリしている反面、味がもの足りなく、後者は味全体にクセがある反面、原材料の旨味は強く出ます。
沖縄の泡盛も、奄美の黒糖焼酎も、鹿児島の芋焼酎も、製法はすべてこの常圧蒸留。今の焼酎ブームのキーワードは、「常圧蒸留の乙類焼酎」です。

うした乙類焼酎ブームを背負い、2000年になって東京で急速に増え出したのが、数百種類の焼酎を揃えた焼酎専門のバー、焼酎バー (本文下の表参照)です。焼酎はワインと違って開栓後も保存がきくので、商売として効率がいいうえ、客の側から見ると、さまざまな原料、さまざまな味の酒を、ムチャムチャ安く飲める(値段はシングルモルトの3〜4分の1!)というメリットがあります。

た、焼酎は食事中も飲むことができる珍しい蒸留酒でもあります。焼酎は初めから原酒を水で割ってあるので、アルコール度は25〜30%と低く、それを水やお湯で割って飲めば、濃さはワインや日本酒とほぼ同じ。そして、同じ魚介料理でも、たとえば刺身には米か麦の焼酎をキンキンに冷やして、イカの沖漬けや酒盗等のクセの強い料理には湯で割って香りを立てて、というふうに、ワイン並みに色々考えて料理に合わせる愉しみもあります。

酎バーで一番人気があるのが、芋焼酎。「できるだけ芋っぽいのを」と注文する客も多いとか。昔は常圧蒸留の芋焼酎は、クセが強くて敬遠されていたのですが、ワインやシングルモルトのブームを経て、日本人もクセのある酒の旨さをわかってきたことと、濾過や蒸留の技術が進んで、同じ常圧の芋でも、えぐみが取れてきたことが人気の理由。さらに、少し寝かした熟成焼酎も人気。その熟成の方法も超音波熟成など年々進歩しており、焼酎の旨さは今も進化中と言えます。
タイから鹿児島につながる海の焼酎ロードを思いながら、東京の焼酎バーで南国の酒に酔うのも、一興ではないでしょうか。

表
Sho-Chu AUTHORITY 
『Sho-Chu AUTHORITY』(TEL:5537-2105カレッタ汐留BF2)は、九州地区を中心に焼酎2500アイテム、泡盛700アイテムが揃う焼酎・泡盛専門店で、品揃えは日本一。初心者でもスタッフが親切に相談に乗ってくれます。現在、関東・関西に姉妹店が6店舗。

座○楽
『座○楽』(TEL:3414-2601世田谷区三宿1-19-13)は15人で満席の小さな店ですが、焼酎の品揃えは400種! 和テイストの内装もいい感じ。知識豊富な専門家が相談に乗ってくれるので、初心者にうってつけです。本店は代官山(TEL:3462-7517)。

GALALI
『GALALI』(TEL:3408-2818渋谷区神宮前3-6-5)は、元際コーポレーション出身のスタッフが、青山の住宅街の築40年の木造一軒家を改装して作った焼酎バー&ダイニング。1Fはカウンター9席、2Fはテーブル25席の計34席。改装の直前まで人が住んでいた店内は、柱や梁がそのまま活かされ、京都の町屋を思わせる和テイストの落ち着いた雰囲気。料理とは別に、厳選された12種類の天然塩が無料で提供され、ジャズをBGMに、塩を肴に焼酎を楽しめます。営業は通常1:00まで。日・祝日が22:30まで。

焼酎ベスト4
日本経済新聞「NIKKEI プラス1」の「何でもランキング」コーナーにおける『専門家が薦める焼酎ランキング』で、2002年度のベスト4。左から1位の佐藤(芋)、2位の朝日(黒糖)、3位の萬膳(芋)、4位の村尾(芋)。10位までのうち6銘柄が鹿児島の常圧蒸留の芋焼酎でした。

更新日2007年5月20日
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