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ホイチョイプロダクションズの東京コンシェルジュ 成田の航空会社のラウンジは
旅慣れたヒトのための高級会員制クラブ
小平一雅 2001年の『9・11』以降、世界の航空会社は深刻な不況に陥り、この影響によりUSAエア、スイス航空、ユナイテッド航空が次々に経営破綻。ようやく旅客が空に戻ってきたところに、今度はイラク戦争が勃発し、需要はまたまた大幅ダウン。各路線で減便を実施する航空会社が相次いでいました。
そこで減る一方の旅客を確保するため、当時各社が模索していたのが「多頻度旅客(フリークエント・トラベラー)」の囲い込み。すなわち、1年間に数万マイル飛ぶ上得意をいかに自社ファンにして他者の便に乗せないようにするか、ということ。そのために各社は空港内に多頻度旅客専用のラウンジを設けるなど、さまざまなサービスを行っています。
今回は航空不況だった当時でも空港で増殖を続けていた「会員制クラブ」、ラウンジについてお話しましょう。

ブル崩壊後の1990年代、日本の航空会社は格安チケットの普及で旅客単価 (旅客1人当たりの収入)が大幅にダウン。2003年1月からオンエアされたキムタクの『GOOD LUCK!! 』人気で勢いを得たANAを例にとってもPEX (=正規割引チケット)を出す直前の1994年には10.3円だった1マイルあたりの旅客単価が1999年には8.0円にまで低下しています。

うした収益性の悪化を克服するため、各航空会社が採った最大の対抗策は、ファーストクラスとエコノミークラスの中間に設定した、ビジネスマン向けのビジネスクラスの充実。たとえば東京-NYの往復チケットで言うと、エコノミーは季節や曜日にもよりますがPEXで6万円台から買えるのに対し、ビジネスは最低でも40万円から。つまりビジネスはエコノミーの7倍以上の収入があるわけです。
そこで各社は、商売の重点を儲かるビジネスクラスにシフト。背中が水平にまで倒れるフルフラットシートを導入したり(日本ではANAが最初)、昔はファーストクラス用しかなかった空港内のラウンジを、新たにビジネスクラス用のもの(ANAのANA Lounge、JALのサクララウンジ)も設けたり、ビジネスクラスを舞台にあのテこのテのサービス合戦を繰り広げていました。

でも注目したいのが空港内のラウンジです。各社とも、出国手続きを済ませて出たコンコースにビジネスクラス向けラウンジを持っており、搭乗客は入り口でチケットを提示することで入場可。会員制クラブのようなエクスクルーシブな雰囲気の中で、朝食や飲み物、新聞・雑誌などのサービスが無料で受けられるほか、コピー、FAX、ネット回線を備えたビジネスデスクも利用でき、成田では欧米向けの便は午前の出発となるため、余裕を見て早めに空港に着いたビジネスマンにとってたいへん便利。ピークの午前10時前後は満員の賑わいを見せています。
JALが2002年4月、成田の第2旅客ターミナルに新設したサクラannex (右図)は、英国風バーやクイックマッサージのサービスまでが無料ですし、エアフランスのサロン・エスパスや、ユナイテッドのレッドカーペット・クラブはシャワールーム付き。こちらのサービスもどんどんエスカレートしています。

ころで、日本の航空各社は、多頻度旅客を自社に囲い込む手段として、乗客の飛行マイル数をコンピュータで管理し、マイル数に応じて遠くまで行ける航空券を贈るアメリカ生まれのサービス、マイレージを1993年から導入。マイルは、飛行機で飛ぶだけでなく、クレジットカードで買い物をしたり、指定のホテル・レストランを利用したりしても、貯められるようになっています。
 最近はこのサービスがより複雑化し、マイレージのマイルとは別に、実際に飛んだ距離だけを、海外は1マイル1ポイント、国内は1マイル2ポイントと数え、1年間で3万ポイント以上貯めた客にANAはブロンズ、JALはクリスタルというステイタスを与えています。実際のところ、NY往復が1347ポイント、沖縄往復が3936ポイントなので、1年間でNYに2往復と沖縄1往復をする客なら、これらのステイタスが得られるわけです。

ジネスクラス用ラウンジのほかに、実際の搭乗がエコノミーでもマイレージ会員であればポイントと引き換えに利用可能な多頻度旅客向けラウンジを、かつてはANA・JAL両者とも設けていていました。お互い似たようなサービス展開で競っていたのですが、その後、サービスの方向性に違いが出てきました。
これは両社とも航空会社同士の相互サービス利用提携のアライアンスに加盟したことが影響しているようです。ANAは17社加盟のスターアライアンスという比較的大きなアライアンスに加盟しており、アライアンスの力を最大限に活用した力技の展開が可能。たとえば、先に紹介したANAのマイレージのクリスタル会員であれば同時にスターアライアンスのシルバー会員の資格も有しているので、スターアライアンス加盟の他の航空会社のラウンジも利用可能になるなどは、その一例でしょう。
このような例は、客単価で不利なエコノミー搭乗の会員より客単価が優れているビジネスクラス搭乗の会員をアライアンスレベルで囲い込んでしまおうというビジネスクラス重視の姿勢の現れで、先に紹介したビジネスクラス用ラウンジのANA Loungeも2006年6月1日まではエコノミー搭乗でも利用可能な多頻度旅客向けラウンジシグネットだったくらいです。
これに対し、JALは加盟8社のワンワールドというアライアンスに加盟している関係で、どうしても自社レベルでの展開を図るしかない、ということで、実際の搭乗がエコノミーでもマイルの支払いと引き換えに利用可能なJGCラウンジをいまだに運営しています。(ちなみに、2004年では加盟各社の収支合計が唯一黒字だったアライアンスでもあるので、実は地道な地に足の着いた経営とも言えるかもしれません)

の「ラウンジはファースト・ビジネスクラスのためのサービスでエコノミーは不可」という流れはグローバルスタンダードのよう。JALのJGCラウンジはエコノミー利用客の最後の砦とも言えるかもしれません。活用しない手はありませんね。

ANALounge
ANAの成田空港内のビジネスクラス向け『ANA Lounge』は(1)入り口でチケットを提示して入室。(2)コーヒー、ジュース、酒類も無料で提供。(3) NTT東日本の「FLET'S光」を利用したブロードバンド映像サービスを見たり、(4)ネットにパソコンをつないで仕事も片付けられます。この他にリフレッシュサロン(有料、もしくはマイル消費)やマッサージチェア、外貨両替サービスもあります。

サクララウンジannex
2002年4月に改装された成田空港内のJALのビジネスクラス向け『サクララウンジannex』。
飲食・雑誌・新聞のほか、更衣室、クイックマッサージ、ズボンプレス、ライブラリーなど、細かなサービスが充実しています。

マイレージカード
ブロンズ
年間(1月〜12月)で30,000ポイント以上、または30回かつ10,000ポイント以上
スターアライアンス シルバー会員
プラチナ
年間(1月〜12月)で50,000ポイント以上、または50回かつ15,000ポイント以上
スターアライアンス ゴールド会員
ダイヤモンド
年間(1月〜12月)で100,000ポイント以上、または120回以上
スターアライアンス ゴールド会員
スーパーフライヤーズカード
プラチナ、もしくはダイヤモンド会員が入会できるVISA対応のクレジットカード
スターアライアンス ゴールド会員


シグネット
ANAの多頻度旅客向けラウンジだった成田の『シグネット』は2006年6月2日からビジネスクラス向けの『ANA Lounge』に。羽田などの国内線用ラウンジとしては現存しており、ブロンズ会員でも1000マイル減算で利用可能。

表
更新日2006年4月1日
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