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タリー発のスローフード運動が雑誌でよく取り上げられていますが、日本にも昔から鰻という立派なスローフードがあるのをご存知でしょうか?
鰻は、関東の背開き、関西の腹開きとよく言われますが、実はそれ以上に大きな違いがあります。関東では、開いた鰻は串を刺して焼き、その後セイロで蒸してから、タレに浸けて再び焼くのですが、関西には「蒸し」の工程がありません。蒸すことで、鰻は柔らかくなるだけでなく余分な脂が落ちるので、東京の鰻は関西に較べ、柔らかい上にサッパリしているのが特徴。そして、東京の鰻店の多くは、仕込みで「蒸し」まで済ませ、注文が来ると、タレに浸けて焼く工程から始めるので、待ち時間も関西より短い傾向にあります。が、それでも待ち時間30分はザラ。彼と行くなら、個室のある店でシッポリ待ちたいもの(下表)。流行りの個室和食に行くより、よほど気がきいているかと存じます。
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ころで、食通はよく「鰻は天然物に限る」と言いますが、確かに天然鰻は川の香りがしてひと味もふた味も違います。その違いが一番よくわかるのが、タレをつけずに焼いた白焼きです。天然の鰻が川で獲れるのは、5〜10月。冬の間は、どんな店でも養殖物で凌いでおり、冬場は白焼きは出さないところも多く、それだけに、5月から食べられる天然鰻の白焼きは、東京に夏の訪れを告げる、季節の風物詩。
鰻で一番おいしいと言われるのは、10月に河口で獲れる下り鰻(シャケとは逆に、鰻は普段は川にいて、産卵のために海に行く生き物です)。5月〜6月に白焼きで季節を感じ、10月に下り鰻で鰻本来の味を満喫−−これが最も通な鰻の愉しみ方と申せます。
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東京タワーを間近に望む東麻布の『野田岩』(港区東麻布1-5-4 tel 03-3583-7852)は、160年以上つづく江戸前鰻の代名詞。飛騨から古材を運んだ合掌造りの店内は、1Fがテーブルで2F、3Fが個室。「蒸し」の工程に2時間もかけているため、他のどの店よりもホクホクと柔らかく、しかもサッパリしているのが特徴。箸袋に書かれた「肝吸い、肝焼きには釣り針が入っていることがありますのでお気をつけくださいませ」の口上は、「うちは天然物です」の形を変えたアピール。下北沢と日本橋高島屋内に支店があります。
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