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ホイチョイプロダクションズの東京コンシェルジュ 1997年以来、再びブームの兆しの梅酒キーワードは『健康』と『多様化』です。
ハウス栽培等により、たいての果物が一年中穫れるようになったこのご時世でも、梅の収穫は6月の1ヶ月だけ。
梅はムチャムチャ季節感のある果物と言えます。
梅は地面から浅いところに広く根を張っているため、雨水を素早く吸い上げ、梅雨(つゆ)のひと雨で、ぷっくり膨らみます。そのため梅の生育には梅雨が不可欠。世界的に見ても、梅の木は、梅雨のある日本・韓国・台湾・中国にしか生えていません。
小平一雅 6月の長雨を『梅雨』と書くのも、その時季、梅の実が膨らむから。カラ梅雨だと、梅は身を守るために早めに実を落としてしまい、凶作になります。梅の豊作・不作は梅雨を迎えてからでないと、予測がつかないと言います。
今回は、そんなデリケートな果物、梅を使った酒、梅酒のお話です。

間の唾液・胃酸には強い殺菌作用がありますが、その分泌が十分でないと、細菌が口や胃を通り越して腸に達してしまい、下痢や発熱等のもとになります。日本人は昔から、梅に、唾液や胃酸の分泌を促して殺菌性を高める効果があることを知っており、庶民は家の庭に必ず梅の木を1本植え、6月に実を穫って梅干しに漬けていました。江戸時代にコレラが流行ったときも、人々は梅干しを食べて予防したと言います。梅は、いわば家庭の常備薬代わりだったのです。  そのため、江戸時代、多くの大名は梅を年貢の対象とせず、積極的に栽培を奨励していました(その筆頭が徳川家で、徳川御三家が治めた紀州水戸尾張の三藩にはいずれも梅の名所があります)。

酒も、昔はそれぞれの家で、庭で育てている梅の木に実が熟したとき、おばあちゃんが、穫った青梅を焼酎と氷砂糖に漬けて作っていたもの。梅酒は家で作るものであって、買うものではありませんでした。そんな時代に、味噌や醤油がそうだったように梅もいつか家では育てない時代がやって来ると看破し、1959年から梅酒の量産販売に乗り出したのが、今や業界で50%強のシェアを持つトップブランド、チョーヤ(元は大阪のワイン・メーカー)です。
 そしてその見込み通り、梅酒はやがて家で作るものではなく買うものになり、チョーヤの売上げは右肩上がりに伸び、居酒屋ブームの1997年に一度ピークに。この年には台湾でも梅酒ブームが起こり、チョーヤの売上げは、輸出も含めて年間200億円に達し(ちなみに05年は約120億円)、サントリーメルシャンといった大手メーカーも続々参入してきて、価格競争が勃発。

しブームとは言え、梅酒の売上げは全アルコール飲料の売上げの1%に過ぎず、量産のスケール・メリットがない上、梅雨どきの雨量で決まる梅の年ごとの豊作不作の差は、ブドウ以上に大きいため、梅酒の味を一定化するのはひと苦労。そのため後発メーカーの熱は急速に冷め、消費者の興味も赤ワインに移ってゆきました。

ころが、2005年あたりから再び梅酒がブームの気配。
 最近の研究で、梅には、ガンの原因になる活性酸素の発生を抑える抗酸化物質リオニレシノールや、疲労回復や血液サラサラの効果があるクエン酸が豊富に含まれていることがわかり、梅酒は今まで以上に健康にいいことがわかった上、若者の味覚が変わってきて、苦いビールは飲めなくても甘い梅酒なら飲める、という若者が増えたことが主な要因と考えられます。

らに、昔は梅を漬ける焼酎と言えば、連続式蒸留で作られるアルコール純度の高い甲類焼酎(別名ホワイトリカー)と決まっていたのですが、最近は焼酎ブームの流れから、原材料の味が生かされた単式蒸留による乙類焼酎(別名本格焼酎)を作っている酒蔵が、自社製の芋焼酎・麦焼酎・米焼酎・黒糖焼酎・泡盛に漬けた梅酒を次々に出しており、さらに、日本酒の酒蔵が日本酒漬け、ワインメーカーがワイン漬けの梅酒を発売。一気に商品が多様化。そうした多様化した梅酒をいろいろ試せる梅酒バーも、東京に続々と登場しています。

にもいろいろ種類がありますが、梅酒に使われる梅で最も有名なのは、肉が厚く味も香りも豊かな南高梅(なんこううめ)。チョーヤでも、生産される梅酒全体の大筋30%は南高梅が原料だと言います。この梅は、1951年、和歌山県の白浜のすぐ北にあるJR南部(みなべ)駅近くの南部(みなべ)高校の先生が、地元の梅を研究し品種改良して作ったため、南部高校の梅ということで、南高梅と命名されたもの(南高って、高校の名前だったんですね!)。

ける梅の実も、従来は完熟したものだとオリが出てしまうので、若い青梅を使っていたのですが、最近は濾過技術の進歩により完熟梅が使えるようになり、より生ジュースっぽいフルーティーな味わいになりました。

なみに、梅酒のアルコール度は13〜14度(中にはそれ以上のものもありますが)。ワインが11〜12度、日本酒が15〜16度ですから、アルコールの濃さはワインと日本酒の中間。甘いのでクイクイ飲めてしまいますが、梅酒は案外強い酒です。男に飲まされるより、女性同士で前述の梅酒バーに足を運び、多様化した梅酒をひと通り試されてみることをお薦めします。

鰹
毎年6月に入ると東急ハンズに並ぶ『梅酒作りセット』。青梅1kgに対し、氷砂糖200〜500g、焼酎1.8l見当。青梅は丁寧に水で洗い、水に6〜8時間つけてアク抜き。保存ビンはしっかり殺菌したものを使用。1年でコクのある梅酒ができます。

梅椿
2006年2月24日に新宿歌舞伎町にオープンした、100種類もの梅酒を揃えた梅酒専門バー『梅椿』(新宿区歌舞伎町1-11-8 YENPLAZAビル5F  tel 03-3205-4501)は、朝5時まで営業。六本木、銀座、新宿靖国通り沿いに、ほぼ同時期にできた支店あり。

三年ぶた蔵
渋谷公園通りから宮下公園に下る坂の途中の国際101号館地下に2004年11月にオープンした豚肉料理専門店『三年ぶた蔵』(tel 03-5428-5731)は、有名どころを中心に50種類以上の梅酒を揃えた本格梅酒バーでもあります。池袋に支店あり。

三年ぶた蔵
(1)トップ・ブランド、チョーヤの主力商品。720ml、1161円。アルコール度14%。
(2)東京ヒルトン等、一流ホテルが入れている上品な味の『木の国・白』(木の国酒造)。720ml、1277円。アルコール度14.5%。
(3)1962年から漬けたまるでコーヒーのような色の超年代物『幽玄秘酒・渾然』。720ml、10500円。アルコール度15%。


三年ぶた蔵
(4)『魔王』の製造元、白玉醸造が作っている『さつまの梅酒』。1800ml、3300円。アルコール度14%。
(5)茨城の月の井酒造の『日本酒仕込梅酒』。1800ml、2500円。アルコール度11%。

更新日2006年4月30日
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