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ホイチョイプロダクションズの東京コンシェルジュ 犬養裕美子さんと東京コンシェルジュが選ぶ、2005年ベスト・レストランはこの店!
メゾン・ド・ウメモトからピエール・ガニエールまで05年も東京には有力店が続々出現
犬養「コンシェルジュって、ホテルで宿泊者のために、お芝居や新幹線のチケットを取ったりするサービス係のことですよね」
小平「はい」
犬養「レストランの紹介もされるんですか?」

小平一雅 小平「お客様が楽しい時間を過ごせるかどうか、だけを考えてご案内しています。どこかの批評家のように、独りよがりの価値観を押しつけることはしませんし、雑誌のタイアップページのように、むやみにホメたりもしません。犬養さんの立場と同じじゃありませんか」
犬養「ですね(笑)」
 今回は、レストラン・ジャーナリストの犬養裕美子さんが、当ホテル・コンシェルジュ小平雅一と2005年にオープンしたベスト・レストランを選び出す特別企画です。

【中華】
犬養「今年は『メゾン・ド・ウメモト上海(1)』『直城(2)』『瓢香(3)』『桃の木(4)』と、シーズン毎に彗星みたいに中華のいい個人店が現れましたね」
小平「個人店というと?」
犬養「大資本プロデュースじゃなくて、料理人の顔が見えるオーナーシェフの店。これまでは家族客相手で、郊外に多かったんですけど、デート向けとか食通相手とか、狙いを変えて都心に出てきたんです。お客さんもエビカニ一辺倒から脱却して、専門的な料理を求めるようになりましたし…。今、『瓢香』に行って、フカヒレ食べたいとは思わないじゃないですか」
小平「ベストはその『瓢香』ですか? 安いし」
犬養「井桁さんの料理は高級料理志向じゃなくって、四川の普通の人が食べてる料理。だから新鮮だったんだと思うんですよね」
小平「『桃の木』はどんな店?」
犬養「三田の、以前は『菱沼』があった場所です。料理は中国でも北の方の料理。料理長の小林サンは際コーポレーション出身。同じ際でも、奥さんの孫幼亭サンの系統の店で特級厨師として働いていた人なのでおいしいですよ」

【スペイン・バル】
小平「2005年は、スペイン・バルの当たり年でしたね」
犬養「ベストは『エルセルド(5)』。豚をちゃんと料理して出してくれる店です」
小平「昭和通り沿いのオープンエアなので、入口の席は排気ガスが気になる感じでしたよ」
犬養「奥は問題ないですよ」
小平「『バニュルス(6)』と『ムイ(7)』はガッカリでした」
犬養「グラナダは今年、銀座に『ペロ(8)』も出しました。日本橋の『サンパウ』の副料理長がスペインに行ってバルの勉強をして、それで『ペロ』や『ムイ』を出しているんです。だからノウハウは活かされているはずなんですけど」
小平「恵比寿の駅前に東京カレンダーが出した店は?」
犬養「『(9)』ですね。あの店はスペインとは限らないんですよ。つまみにチャーシューとか、結構おいしいの。安くて量が多くて」
小平「僕は味がダメでした。同じ恵比寿だったら、『ティオ・ダンジョウ(10)』が1階に出したバルの方が100万倍いいですよ」

【フレンチ】
小平ピエール・ガニエール(11)って凄いシェフなんですか?」
犬養「特殊性のある自己主張の強い料理なので、好き嫌いが分かれるんじゃないですかね」
小平「内装の趣味のよさは抜群でした。それに較べるとアラン・デュカスの『ブノワ(12)』はガッカリ。夜景を全然活かしてないし、デザインコンセプトも曖昧だし」
犬養「全部、窓際を植物とか窓枠で覆っちゃいましたからね」
小平「今年のフレンチの目立った傾向は?」
犬養「誰でも来てね、という店がなくなって、目的別にはっきりコンセプトが分かれてきたこと。たとえば三谷青吾サンが独立して出した『レスプリ・ミタニ(13)』みたいに、シェフ一人、サービス一人でもとにかくおいしい料理を食べさせるとか、池尻の『イブローニュ(14)』みたいに、安い値段で日常的フレンチを食べさせるとか」
小平「『イブローニュ』は犬養さんに教わって、行ってみましたけど、あの値段であの味は素晴らしいですね。ワイン飲んで腹一杯食べて2人で8000円以下!」
小平一雅
犬養「ワインも、ボトルじゃなくてもカラフでいいよ、っていうゆるさがいいですよね。この人たちはお金儲けしようとしてなくて、いつも来てくれればいいからさぁ、1回で沢山とろうなんて思ってないよ、みたいな感じ」
小平「塩分がきつ過ぎません?」
犬養「シェフ一人で頑張っているから、疲れると味が濃いめになってる、ってことはあるかも(笑)。」
小平「味は別にして、中目黒の目黒川沿いの『ユイット(15)』は、ロケーションと作りが抜群に面白いですよ。目の前は桜で、緑が目に鮮やかで。ベスト開発賞かな」
犬養「あと話題として『ゴードンラムゼイ(16)』も外せないかな」

【イタリアン】
犬養「イタリアンは、今年は停滞していたと思います。新しい機軸がないっていうか、メインは美味しくないし、パスタを食べてもそんなに種類がある訳でないし、みんな知っちゃってるしで」
小平「西麻布の『ダ・ニーノ(17)』はどうです?」
犬養「前菜はよかったですけど、魚料理は特筆すべきほどではなかったかな。確かにシチリア人が作る本場の料理で、客席はイタリア人だらけなんだけど、私には同じシチリア料理なら、『トンマズィーノ』のほうが美味」
小平「ほかに面白い店は?」
犬養「ベスト開発賞は、芝浦に8月にできた『ナビリオ(18)』。店は、田町の港南口からしばらく歩いたところにあって、目の前が運河で、それに面したテラスがあって、脇の橋がライトアップされていて、遊歩道もあって……。ミラノは元々は運河の街で、ナビリオっていう地区に似たようなロケーションが残っているんですよ。それをイメージしたんでしょうね」
小平「あと、遊び人に人気の『カーザ・ヴィニタリア(19)』『アザブハウス(20)』も今年でしたね」

【和食】
小平「和食はどうですか?」
犬養「『すゑとみ(21)』と『よねやま(22)』が、双璧。『すえとみ』は、西麻布の旧『分とく山』だった物件。野崎さんの下で10年やっていた末冨さんが、独立して出したお店です。コースが1万円なんですけど、抜群のコストパフォーマンス。ただ、今は師匠の料理を作っちゃいけない、って自分で課しているので、それで苦労されているようですね」
小平「『よねやま』の方は?」
犬養「四谷の津之守坂という静かな通りで、こちらも1万円。これは和食に限らないことですけど、料理人が初めて店を出したら、値段以上にいい食材を出して、いいお客さんをつかもうとするんです。だから、両店とも今が行きどき」
小平「今年は景気が戻ってきたせいか、『とうふ屋・うかい(23)』『味やま(24)』『モリモト・ゼックス(25)』など、バブルっぽい店がたくさん出てきましたね」
犬養「『モリモト』は面白いですね。小さな鯛焼きの型を使って、鯛焼きの生地の中に明太子のクリームとか入れて焼いて、それでアミューズにしたり、酢飯とモッツァレラ・チーズでリゾットを作ったり。森本さんの面白いところは、日本にはコレがあったじゃん、っていうものを持って来るところ。やられた感があったんですよ、私には…」
小平「なるほど」

桃の木
『桃の木』(港区三田2-17-1-29 オーロラ三田105 TEL:03-5443-1309)は、六本木に移転した『菱沼』の後に入った中国料理店。夜のコースは5250円から。デート向きの雰囲気ではないが、アラカルトも豊富でコストパフォーマンスは抜群。
エルセルド
『エルセルド』(中央区銀座1-19-14 TEL:03-3567-2766)は、元『ピンチョス・ベポ』のスタッフが作った、イベリコ豚がウリのスペイン料理店。立呑みはカウンター前だけで、あとは本格的なレストランの体裁。店名通り店内は豚だらけ。
ピエール・ガニエール・ア・東京
青山プラダの向かいの個性的なビルの4階+屋上の『ピエール・ガニエール・ア・東京』(港区南青山5−3−2 南青山スクウェア4F/RF TEL:03-5466-6800)は、その独創的な料理で『厨房のピカソ』と称されるフレンチ界の異端児シェフの日本初出店。夜のコースが1万7000円、2万6000円と高めの料金設定ですが、フランス人デザイナーの手による同心円をテーマにした内装は東京一のセンス。問題は、本人が帰国した後に味が維持できるか、でしょう。屋上は2006年2月にオープンの予定。


ブラッスリー・イブローニュ
東京コンシェルジュが選んだ2005年オープンのベスト・レストランは『ブラッスリー・イブローニュ』(世田谷区池尻2-27-7 TEL:03-3419-6033)。店名はフランス語で「酔っぱらい」の意。ワインはカラフやグラスでも注文出来る上、ビールを前面に並べ、ビールだけでも全然OK、と意思表示している良心経営が身上。有馬シェフの料理は、安くて旨い理想的な庶民派フレンチ。パリの下町にありそうな庶民的ブラッスリー風の内装もグッド。じきに予約の取れない人気店になることは必至。急げ、池尻へ!

犬養裕美子さん『東京ハッピー・レストラン06-07』
今さら説明不要の最強レストラン・ジャーナリスト。2005年11月29日にマガジンハウスから『東京ハッピー・レストラン06-07』(1680円)を出版。

エッジのきかせ方
更新日2005年12月25日
森ビル 免責事項 J-wave