トップ 今週のエンターテインメント 来週のエンターテインメント 東京コンシェルジュブログ フラウ東京コンシェルジュ
ホイチョイプロダクションズの東京コンシェルジュ 国立国会図書館からアカデミーヒルズまでネット時代の正しい図書館の利用法とは?
 永田町の国立国会図書館の受付には『Η ΑΛΗΘΕΙΑ ΕΛΕΥΘΕΡΟΣΕΙ ΥΜΑΣ』すなわち『真理がわれらを自由にする』というギリシャ語が彫られています。(読みは大筋「イアリシア エレフセロシイ イマス」です。いきなりギリシャ語を読んで、友だちを驚かせましょう)。
小平一雅  1948年、日本の民主化には知識と情報の公開が不可欠と考えた進駐軍は、行政の上位に位置する国会図書館の設立を指導しました。その設立趣意書の冒頭に掲げられたのが先の聖句。図書館はまさに自由と民主主義の象徴なのです。が、そんな図書館も、インターネットの普及により、その役割を大きく変えつつあります。今回は読書の秋に向け、今どきの図書館を考えてみました。

田町の最高裁判所の向かいにドーンとそびえる国立国会図書館は、日本の図書館の最高峰。「知」の総本山。国民があらゆる知識・情報に触れられる国の中央図書館としての機能のほかに、国会議員の立法のための調べものの手助けをする『国会図書館』としての機能も持っています。

京にはこのほかに、広尾の中央図書館、日比谷公園内の日比谷図書館、立川の多摩図書館と、3つの都立図書館があります。都立図書館は原則的には本の貸し出しはしておらず、館内での閲覧専門。必要箇所はコピー・カウンターでコピーを取ることができます(著作権により、コピーが取れるのは、原則一つの著作物の50%以内。雑誌の場合、最新号はコピーを取ることができません)。
 3つの都立図書館は02年以降、お互いに蔵書を交換し、多摩図書館は文学・児童書中心、中央図書館は趣味や学問の調べものに対応、日比谷図書館はビジネスマンの調べものに対応(ここのみ一部貸し出し可)―というふうに、役割を明確に分けつつあります。

らに東京には、3つの都立図書館の他に、区ないし市町村が運営する図書館が388館あります。こちらは貸し出しが中心で、誰でも2週間単位でタダで本を借りることができます。
 昔は図書館といえば、学生や研究者が勉強したり調べものをしたりする教養主義的な場所でしたが、1970年代に入ると「市民の図書館」という思想が広まり、公共図書館も、住民にとってより身近な存在となるため、市民が要望する話題のベストセラーを書棚に並べ始めました。さらに、バブル崩壊後は、少ない予算で高い貸出率を維持するため、ベストセラー志向傾向に拍車がかかります。

とえば練馬区は区として11の図書館を運営していますが、それら11館の2005年6〜8月の貸出回数上位ベスト5は、1:『バカの壁』(337回)2:『誰か』(255回)3:『半落ち』(253回)4:『模倣犯・上』(234回)5:『ハリー・ポッターと炎のゴブレット・上』(221回)。
 また予約件数の上位ベスト5は、1:『ダヴィンチコード・上』(878件)2:『ダヴィンチコード・下』(707件)3:『電車男』(653件)4:『いま会いにゆきます』(511件)5:『魂萌え!』(508件)―ちょっと前のベストセラーとまるで同じ順位になっています。

版社は、たまに出るベストセラーの売上げで他の儲からない本の出版費用をカバーしているので、公共図書館にタダでこれだけベストセラーを貸しまくられると、かなりの打撃。一方図書館側は、たとえば『ダヴィンチコード・上』は練馬区11館の合計でも35冊しか置いておらず、それに878件の予約が殺到しているということは、今申し込んでも借りられるのは1年先。それだけ待っても借りて読もうというヒトは、もともと金を出してその本を買う意志はないヒトだ、と主張しており、両者の主張は完全に平行線。

ころで、これからの日本は、国民1人1人が自分で積極的に情報を集めなければ生き残れない社会になる、と言われています。たとえば訴訟社会が進むと、アパートの借し貸りに際して本格的な法律知識が必要になりますし、医療のインフォームド・コンセントが進むと、患者が病気に関する知識を自分で身につけておかなければならなくなります。そういった生活に欠かせない情報を得るための場が、図書館です。
 インターネットがあるじゃない、とお思いの方もおいででしょうが、無料で見られるネットの情報はウソもいっぱいあり(ウソを書いても罰するルールがないからです)、出版社が内容の真偽に対して責任を負っている「本」とは、精確性が比べものになりません。

うした、新しい図書館のあり方の一つの手本となっているのが、浦安市立中央図書館です。浦安市の全人口15万人に対して、この図書館の年間利用者数は85万人。のべ貸出数は年間180万冊。浦安市の全市民が、年間12冊の本を借りている勘定。欧米には、フィンランドのように全国民が図書館から年平均21冊借りている図書館大国もありますが、日本ではこれは驚異的な数字。
 浦安中央図書館がここまでの成績をあげているのは、「今日の夕飯は何にしよう」から「私はどう生きたらいいんでしょう」まで、利用者のあらゆる相談に司書が乗って、どんな本を読めばいいかを教えてくれるリファレンス機能がしっかりしているから。
 ベストセラーを揃えて貸出率を上げるより、これからの公共図書館が目指すべきなのはこういう方向なのではないでしょうか?

国立国会図書館
国立国会図書館は完全閉架式で、本を書棚には並べられておらず、館内のパソコンを使って必要な本を申し込み、書庫から出してもらって閲覧するシステム。日本で出版された本はすべて2冊ずつ納本され、保管されています。

広尾・中央図書館
広尾の中央図書館は、80年代半ばには、開館前の行列が有栖川公園の入り口まで伸びていた人気図書館。蔵書は150万冊。開架式で25万冊が棚に。雑誌のバックナンバーが豊富なのが特徴で、たとえば『週刊朝日』は昭和初期から閲覧可能。

浦安中央図書館
83年開館の浦安中央図書館。電源のある席がたくさんあり、開架式の棚に並ぶ20万冊の専門書を背に、自分のパソコンで調べものができます。図書館は女性・子供が多いのが通例ですが、ここは男性客が多いのも特徴。

六本木アカデミーヒルズ
六本木ヒルズ49階の『六本木アカデミーヒルズ』は、月額6300円(1DAY会員2000円)のユニークな有料会員制民営図書館。お酒を飲みながら本を読める図書館は日本でここだけ。朝の8時から夜の11時まで年中無休で営業。本の貸し出しをしない代わりに、どの本も定価の1割引きで購入することが可能。立花隆の自宅の書斎を再現したコーナーなど、ユニークな企画も多数。女性が誰にも邪魔されずに自分の時間を過ごすのに最適な空間です。

2002年12月からネット上で始まった、都立図書館3館と、区・市営の図書館の横断検索システム。欲しい本がどこにあるか調べたり、貸出予約をしたりすることができます。アドレスは
http://www.library.metro.tokyo.jp/


森ビル 免責事項 J-wave