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ホイチョイプロダクションズの東京コンシェルジュ 一人の女性がジャムの歴史を変えた!コンフィチュールは上半期最大のブーム。
 44歳の女性が、千年近いヨーロッパのジャムの歴史を変えました。彼女の名は、クリスティーヌ・フェルベール。彼女が作るフレッシュで斬新な素材を使った革命的コンフィチュール(フランス語でジャムの意)は、一流パティシエたちがこぞって絶賛。彼女は数年前から、伊勢丹などの招きで頻繁に来日して講習会を開催。
小平一雅  2004年7月、TBSの『ウルルン滞在記』で、仮面ライダー俳優・松尾敏伸が彼女のもとに弟子入りしてからは、一般にも名が知られるようになり、フェルベール式コンフィチュールの専門店が東京のあちこちに誕生。既存のパティスリーも競ってコンフィチュール作りに力を入れるようになりました。
今回は、フランスから上陸したコンフィチュールの特集です。

ンフィチュール(=フランス語でジャムの意)は、水分を抱え込んでその腐敗を遅らせるという糖分の特質を利用し、果物を砂糖煮にして長期保存に耐えるようにした、昔ながらの食品。フランスでは、パンに塗ったりヨーグルトに加えたりするだけでなく、紅茶やカフェ・オレに入れたり、肉に添えたり、ほとんど砂糖代わりに使われてきました。
 その作り方は大まかに言うと、
(1)果物の皮と種を取り除いて、
(2)砂糖に漬けておくと、浸透圧の作用で果物の中に糖分が入ってゆき、代わりに果汁が外に出る。
(3)その果汁と、砂糖漬けの実を分けて、果汁だけを煮詰め、
(4)実と合わせてさらに煮上げる。
というもの。
 長期保存するには糖度が60%以上必要で、フランスでは糖度60%以上をコンフィチュール、50〜60%をミ・コンフィ、それ以下のものをコンポートと呼びます。

ころで、砂糖が中東からヨーロッパに伝わったのは十字軍遠征の副産物。砂糖の普及とともに、ジャムも普及しました。但し、当初砂糖はたいへんな貴重品だったため、ジャムも一部特権階級の食べ物。それも精力増強や精神安定に効果のある薬とみなされており、それを作るのは薬剤師の仕事。大予言でおなじみノストラダムスも1552年に『ジャム概論』という本を書いています。
 後に甜菜(てんさい)からも砂糖が作れることがわかり、ナポレオンがそれを産業化して砂糖の価格が下がると、フランスではジャムが一般化。日本の漬け物のように各家庭が独自のレシピを持つようになります。また、洋菓子のパーツとしても欠かせないものになり、ジャム作りは、パティシエの必須科目に。パティスリーが、その店独自のジャムを店に置くようになります。
 が、20世紀半ば以降、果実が1年中豊富に手に入るようになってからは、ジャムはパティスリーの棚でも忘れられかけた存在に。

の忘れられかけた存在に再び光を当てたのがクリスティーヌ・フェルベールです。彼女はフランスのドイツ国境に近いアルザス地方のニーデルモルシュヴィル村で1960年に生まれ、パリの『ペルティエ』等で修業した後、故郷に戻り、父親が営む『メゾン・フェルベール』というパン店(ブーランジェリー)で、アルザスの新鮮な果実を使ったジャム作りを開始します。

女の作るジャムの最大の特徴は、果実の自然な風味をそのまま瓶に閉じこめられていること。その香りの豊かさには、多くの専門家が衝撃を受けました。
 それと、もう一つの特徴は、ピーマン(ピモン)・青トマト(トマト・ヴェール)等の野菜類やハーブ類を多用し、イチゴと黒胡椒とか、リンゴとルバーブとかいった、従来考えられなかった素材の組合せを実現したこと。

本でも、彼女のジャムは90年代から一部の専門家には知られていましたが、2002年10月、フランス食材の輸入会社、日仏商事が、名だたるパティシエを集めて神戸と東京で彼女の講習会を開催してからは、業界で広く知られるようになり、さらに2004年7月、『ウルルン滞在記』で取り上げられてからは一般の人気も爆発。2005年1月の伊勢丹のサロン・ド・ショコラに来日した際には、サインを求める女性が殺到するほどの人気ぶりだったそうです。

た、2004年1月、アルザスで修行した料理研究家、いがらしろみが鎌倉に『ロミ・ユニ コンフィチュール』を出店したのを皮切りに、日本はコンフィチュール専門店の出店ラッシュ(マスコミは、旧来のジャムと区別する意味で、フェルベール式ジャムをコンフィチュールと呼んでいます)。2004年10月、銀座に『コンフィチュール・エ・プロヴァンス』が、2005年3月9日には、深沢にカリスマ・パティシエの辻口博啓による『コンフィチュール・アッシュ』がオープンするなど、ブームは勢いを増しています。ことに辻口博啓の店は、コンフィチュール作りの充実した設備がオープンになっていて、作業を眺めることができます。一度足を運ばれてみてはいかがでしょう。

はフランスでは、ジャムはあまりにも生活に密着した日常食品であるため、高価なフェルベールのコンフィチュールには一般市民は食指を動かされないのだとか。フェルベール式のコンフィチュールに最も理解があるのは、日本人なのかもしれません。

コンフィチュール・エ・プロヴァンス
サシェ
『コンフィチュール・エ・プロヴァンス』(中央区銀座1-5-6 TEL:3538-5011)は、金沢でブドウ園や洋菓子店を経営する『ぶどうの木』が、2004年10月、銀座に出したコンフィチュール専門店。パイナップル+コリアンダー、秋スイカ+花梨+ピーマン等、ユニークな組合せのコンフィチュール約70種類を販売。『サシェ』と呼ばれるティーバック・サイズの30g入り300円の透明の容器がズラリと並んだ店内は壮観。プロヴァンスに工房を持ち、そこで作ったものを直輸入しています。




クリスティーヌ・フェルベール
クリスティーヌ・フェルベールは19歳で、パティスリー新人賞を受賞。90年代から知られた存在でした。

メゾン・フェルベール
彼女がジャム作りをしている、アルザス、ニーデルモルシュヴィル村の父親のブランジェリー『メゾン・フェルベール』。

コンフィチュール・アッシュ
駒沢公園隣にできた辻口博啓の『コンフィチュール・アッシュ』(世田谷区深沢2-1-10 TEL:03-5752-1051)は、屈指の製造設備を持つ最新のコンフィチュール専門店。餡(これもジャムの一種)を使ったコンフィチュール等、ユニークな商品がいっぱい!

イデミスギノ
『イデミスギノ』(中央区京橋3-6-17京橋大栄ビル1 F TEL:03-3538-6780)は、神戸から東京に進出した超人気パティスリー。店内に並ぶ約10種(全て¥1260)のコンフィチュールは、東京みやげベスト10に選ばれたこともある逸品。

ピエール・エルメ
ラポルト青山1階の『ピエール・エルメ』(渋谷区神宮前5-51-8 TEL:03-5485-7766)は、コンビニ好きのピエールの趣味を生かしたスイーツのコンビニ。元祖フェルベールのコンフィチュールを販売。ちなみに近くの『青山アンデルセン』でも売っています。

セルフィユ軽井沢
『セルフィユ軽井沢』(千代田区丸の内2-4-1 TEL:03-5220-1288)は、『ロミ・ユニ・コンフィチュール』の経営元でもある、軽井沢の『セルフィユ』が、2004年9月、丸ビルの地下1Fに出した専門店。約70種類のジャムを販売。

更新日2005年4月3日
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