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ホイチョイプロダクションズの東京コンシェルジュ 本格的な会席のコース料理が5000円から!格安カウンター割烹、東京に増殖中。
 2004年につづき、東京は空前の和食ブーム。中でも、本格会席料理をコースで出すカウンター割烹店のオープンが目立ちます。

小平一雅  東京でカウンター割烹というと、誰しも1人1万5000円以上の高級店を思い浮かべがちですが、最近、恵比寿あたりを中心に続々誕生している『かどた』『賛否両論』『やまもと』等の新世代のカウンター割烹は、どこも料金が5000〜6000円台。それでいてどの店も、伝統的な献立に則って、10品近い料理を出す本格派です。
 この料金でマトモな和食が作れるの?とお疑いの向きもおありでしょうが、どこもたいした繁昌ぶりで、味の評判もよろしいようで。
 今回は、最近めきめき増殖中の5000円割烹の特集です。
日、和食店で出されているコース料理のルーツは茶懐石―すなわち、千利休が定めた、お茶会のための料理。その基本は、ご飯と一汁三菜(=味噌汁・刺身・煮物・焼き物)。このうち、膳にのせて最初に出されるのは、ご飯・味噌汁・刺身の3品。
 ご飯が最初に出されるのは、昔は白米のご飯が一番のごちそうだったから(炊きたての米は釜の縁が旨いので、その部分をシャモジで真一文字に横にすくう、一文字飯という盛り方で出されます)。ご飯と味噌汁の椀(わん)は出しっぱなしで、おかわり可能。刺身の皿は食べ終えたら下げられ、替わって、煮物、焼き物の順に出されます。

懐石はちょっとしたおもてなしの食事なので、お酒も料理も量は控え目。お腹いっぱいになるほど料理が出ることも、酔っ払うほど酒が出ることもありません。しかも、形が残るもの(たとえば骨のある魚)は出せない等、いろいろルールが厳しいので、一般的ではありません。そこで、茶懐石のルールを簡略化し、ご飯と味噌汁を最後に回して最初に酒の肴を出す等、酒をおいしく飲むための工夫を加えたのが、会席料理。これが、今日の和食店のコース料理です。

席料理は、おおすじ、(1)先付(さきづけ)、(2)吸い物、(3)向付(むこうづけ)、(4)煮物、(5)凌ぎ(しのぎ)、(6)焼き物、(7)酢の物、(8)ご飯、新香、止め椀(とめわん)―の順で出されます。それぞれの意味を説明してゆきましょう。
 まず、(1)の先付は酒の肴。まずは一杯、に対応した一口前菜です。
 (2)の吸い物は、具が季節を表現したものでなければならず、具の上には冬なら柚子、春なら木の芽といった季節の香り(=吸い口)をのせなければなりません。吸い物は、蓋付きの椀で出されるので、客が蓋を開けたとたんに季節の香りがフワッと広がる―最初にちょっとしたサプライズを客に与えるわけです。また、このタイミングで吸い物が出るのは、お客様の口が濃い味に慣れてしまう前に薄味の吸い物を味わって貰うためでもあり、その地域で沸く名水を清汁にして味わっていただくという意味もあったといいます。
 ただ、先付の次が吸い物と決まっていたのは、ビールが普及するより前の話。今日の和食店では、客の8割までが最初にビールを注文するので、最初から水分はないだろう、ということで、(2)の吸い物を省く店の方が多いようです。

(3) 向付とは刺身のこと。茶懐石では、お膳の上で刺身の皿がご飯と味噌汁の「向こう」に置かれたので、この名があります。ウチの板前はこれだけ包丁が引けますという、店側のプレゼンテーションです。刺身は、コース中で最も原価がかさむので、格安割烹店はどこも、地方の港と契約して魚を直送させたり、量を微妙に少なくするなどして、単価を下げる工夫をしているようです。

(4) 煮物は、煮染め(にしめ)炊合せ(たきあわせ)といった一般的な煮物を出す店もありますが、本格的割烹は、魚や野菜の煮物に清汁(すましじる)をかけて大きな椀に盛った、具のバカでかい吸い物のような料理(=煮物椀と呼びます)を出します。ことに、(2)で吸い物を省略した店は、(4)を煮物椀にして店の汁の味をアピールしているところが多いようです。

(5) 凌ぎは、一口サイズのおこわや蕎麦等の炭水化物。普通はコース中盤で出されますが、酒を飲むためにはまず小腹に何か詰め込んで貰おうという趣旨で、凌ぎを最初に出す店もあります。
 (6)の焼き物は、焼き魚。(7)の酢の物は、ご飯の前に口をさっぱりさせるためのもの。そして(8)の止め椀は、最後のご飯・新香と一緒に出される味噌汁のこと。

こうした献立を考える上で最も重要なのは、似た味を重ねない、ということ。たとえば焼き物で脂の乗ったブリを出すなら、刺身はあっさりした白身をポン酢で食べさせる、といった具合。ことに避けなければならないのが、高級食材ばかりをつづけて出して全体の印象を凡庸にしてしまう、いわゆるいいもん出し。いい店は、味の強い食材の後で水菜のお浸しをサッと出すなどして上手い具合に手を抜き、全体の印象をよくしているものです。
 また、銀座の『美登里』のように、近くに天ぷら専門店がたくさんあるので、天ぷらを食べたいお客様はそちらに行くはずだから、揚げ物で天ぷらは出さない、という土地柄に合った気遣いをしている店もあります。こうした細かな気遣いこそ、日本料理の真骨頂。
 とりあえず、コース6000円以下の店で、その気遣いを体験してみてください。これからですと、タケノコが旬ですよ!

食彩かどた
『食彩かどた』(渋谷区恵比寿西1-1-2しんみつビルB1F TEL:03-3780-1080)は、恵比寿駅西口広場の真向かいのビルの地下のモダンなカウンター割烹。全10品の本格割烹コースが5000円。この料金に抑えるために、調理人は主人一人だけ。献立は基本的には月2回のペースで替えているそうですが、実際には仕入れの関係で毎日1品は替わっているとか。仕事をした野菜を、鉄板で油を補給しながら焼く「油焼き」と、魚を一尾まるまる焼く焼き物がウリ。

美登里
『美登里』(中央区銀座7-8-17 B1F TEL:03-3289-2362)は、横浜で85年間続いた料亭が焼失し、銀座のカウンター割烹として再生した店。旬の京野菜をふんだんに使ったコースが6000円から。銀座では屈指の良心価格です。

賛否両論
『賛否両論』(渋谷区恵比寿2-14-4 TEL:03-3440-5572)は、サービス係を兼ねた料理人2人だけで切り盛りするカウンター割烹。夜は10品5250円の1コースのみ。料理人の金髪には驚かされますが、どの皿も的確な味です。

薮原十区
『薮原十区』(渋谷区富ヶ谷2-20-1 TEL:03-5454-9100)は、山手通り沿いのビルの1Fの、若い主人がたった一人で店を切り盛りするカウンター6席だけの和食店。シンプルな焼き魚が抜群の味です。

献立表

¥7000以下の本格会席コースがある店一覧
更新日2005年3月20日
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