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ホイチョイプロダクションズの東京コンシェルジュ ウィンナーワルツのコンサートで始まり、オペラ『こうもり』で終える東京オシャレ歳時記。
 「目と耳は いいが口には 銭がいり」とは、江戸の川柳。
 四季の移り変わりを愉しむのに、花を見たり、鳥や虫の鳴き声を聞くのはタダだけど、季節の食べ物を食べるには、お金がかかる、という意味。
 初鰹を食べるためにはんてんを質屋に入れろと迫る妻に対し、夫が「寒いとき おまえ鰹が 着られるか」という川柳も残っています。江戸っ子は、それだけ季節の変化を大切にして生きていたということ。
 「豊かな暮らし」とは、ブランド品を身にまとったり、高級食材を食べたりすることではありません。それは、旬の野菜や魚の美味を知り、水や空気の暖かさ冷たさを肌で感じながら生きること。

小平一雅  今回は、そんな生き方をお助けする「新東京歳時記」の特集です。

1月

 クラシック界の1年はウィーンフィルのコンサートの世界同時中継で始まります。それに合わせ、1月の東京は、オーストリアから一度に3つのオーケストラが来日して、ウィンナーワルツのコンサートが目白押し。ファンは、これらのコンサートのアンコールで必ず演奏される『ラデツキー行進曲』で手拍子を取らないと、正月が来た気がしないとか。
ウィンナーワルツ
2000年の初来日以来、正月の定番になっている『ウィンナー・ワルツ・オーケストラ』(ウィーンフィルに、歌手、ダンサーが加わった特別編成のオーケストラ)のニューイヤーコンサート。東京では毎年1月の2〜5日前後に東京オペラシティ(新宿区西新宿3-20-21 TEL5353-0788)にて3日間の公演が行われています
氷川神社
赤坂氷川神社は正月三が日の参詣者が3万人。ゆったり初詣ができる神社。ちなみに「氷川」とつく神社の御利益は病気回復。「日枝」は商売繁盛、「熊野」は縁結びと決まっています。

2月

 春節は、陰暦の1月1日を祝う中国のお正月。2005年は2月9日(2006年は1月29日、2007年は2月18日)がそれに当たり、横浜中華街では、前日の2月8日から6日間、祝いの行事がつづきます。
 また、母乳だけで育てられる生後1ヶ月の乳飲み子羊(アニョードレ)の臭みのない柔かな肉は、フランス料理を代表する美食。その肉が日本に入って来るのは2月末からです。

3月

 パソコン界では、ソフト開発者の隠しメッセージを表示させる機能をイースターエッグと呼びますが、本来のイースターエッグとは、キリスト教最大の行事である復活祭(イースター)(毎年日が動き、2005年は3月27日)の日に教会で配られる卵のこと。日本では、その時期になると高級ショコラトリーがチョコレート製のイースターエッグを売りますので、話のタネにどうぞ。
 また、国産生ガキが一番おいしくなるのは実は3月。カキ好きの貴女はオイスターバーへGO!
馬事公苑
4月初めにお花見をし損なった方は、880本の桜のうち550本が八重桜の馬事公苑へ。八重桜は咲き始めが4月中旬からなので遅めの花見が楽しめます。

4月

 4月と言えば花見。2005年は東京に86本ある桜の巨木(環境省の定義では、地上1・3mで幹の周囲が3m以上)をしみじみ鑑賞する大人の花見をされてはいかが? 桜の巨木が最も集中しているのは、新宿御苑と目黒の八芳園です。
 また、4月はヤギがお産のために乳を出す、ヤギのチーズ(シェーヴル)の季節。フレンチに行ったらぜひヤギのチーズを。ついでに食後は、ダージリンの一番摘み(ファースト・フラッシュ)の紅茶を。
 イタリアンなら空豆とペコリーノチーズに白ワイン フラスカティが最高です。

5月

 端午の節句は、菖蒲を浮かべた菖蒲湯につかりに銭湯へ。
 2005年から始まるプロ野球のセパ交流戦は、5月6日から6月16日まで。巨人VS楽天など、新鮮な対戦カードを観に球場へ。
 東京に初夏の訪れを告げる神田明神祭りは5月14・15の2日間。2004年は陰祭りでしたが2005年は本祭りなので盛大なはず。

6月

 3年間中断されていた目白椿山荘のホタル鑑賞会は、自生ホタルの養殖に成功した01年から再開。2005年も5月20日前後から6月末まで。ホタルの光のピークはズバリ、6月中旬の夜の8時半頃です。
 鮎釣りの解禁は日本全国6月1日。6月はその鮎を初め、ギンポウキス谷中生姜等、天ぷら種がピーク。また、季節を間違えてこの時期に生える松茸は早松(さまつ)と呼ばれ、料亭で珍重されています。
 イタリアンならルーコラ、フレンチなら白アスパラガス。一年で一番おいしい絞りたての蜂蜜が食べられるのも6月です。
ゲンジボタル
ゲンジボタル
日本だけに棲む、世界一明るいホタル。6月上旬から羽化し、1週間だけ飛び回ります。
ヘイケボタル
ヘイケボタル
ひと回り小型で、出現はゲンジボタルの1ケ月後です

7月

 ハモは「梅雨の雨を飲んで脂がのる」と言われ、一番おいしくなるのは、梅雨明けの7月半ば。
 7月10日は、浅草寺のほおずき市。7月30日は、日本最古の花火大会、隅田川花火大会。柳橋や品川の屋形船の予約は5月中に埋まってしまっています。お早めに。
プール
赤坂プリンス・ホテルのプールは2004年から17時から入れるシーズン通しのナイターパスポートを2万1000円で販売。猛暑ならバリューです。

8月

 東京三大花火の残りの2つ、江戸川区花火大会東京湾大華火祭は、8月の半ばの開催。また、江戸三大祭りの一つ、深川富岡八幡宮例大祭(水かけ祭り)も2005年は本祭りで、8月半ばの開催。他にも麻布十番祭り高円寺阿波踊り原宿スーパーよさこい浅草サンバカーニバルとつづき、8月の東京は花火とお祭り一色になります。
 食は、コハダの稚魚のシンコ。あっさりしているわりに精気に満ちた強い香りがあり、寿司好きは、シンコの握りを食べなければ夏が終わらないと言います。
9月はプレサレ、10 月は新そば、11月は白トリュフ、12月はふぐ--世界の美食が東京に

9月

 9月18日は陰暦の8月15日、つまり十五夜。1年で一番月がきれいな夜。この日にお月見をしたら、10月15日(陰暦の9月13日、いわゆる十三夜)にもお月見をしないと、片見月と言って、縁起が悪いとされています。彼氏を2度デートに誘う口実にどうぞ。
 イタリアンならポルチーニ茸、フレンチなら北部沿岸の湿地帯の潮風(プレサレ)にさらされた草を食べて育った潮の香りのする羊、プレサレ、和食なら腹に子を抱えた落ち鮎が旬。
 また、オペラ界の9月は新演目が掛かる新年度の始まり。05-06シーズンの幕開けは、新国立劇場の『道化師』と『カヴァレリア・ルスティカーナ』です。
お月見
お月見は、ススキを飾り、団子・御神酒・里芋をお供えし、月を見ながら酒を飲む宴。目黒のホテル・クラスカ4Fのテラス付きの部屋がお勧め。
アンジェリーナ
パリで1903年から営業をつづける『アンジェリーナ』はモンブランを発明した店。84年からプランタン銀座内にも出店しています。

10月

 10月の東京は新そばの季節。何はともあれおそば屋サンへ。
 10月のパリは、焼き栗の屋台が街に並ぶ栗の季節。貴女も銀座プランタン内のアンジェリーナで元祖モンブランを食べ、都会の栗拾いを楽しまれてはいかが?
 ウナギが川で穫れるのは5〜10月ですが、ウナギの通は、一番おいしいのは10月に河口で穫れる下り鰻だと言います。お試しを。

11月

 上海ガニは、10月は卵を持ったメス、11月はゼラチン質の精巣を持ったオスと旬が入れ替わりますが、11月最初の1週間はオスメス両方おいしい貴重な1週間です。
 また、フレンチの11月はジビエが有名ですが、ムール貝のマリニエール(白ワイン蒸し)も絶品。日本ではスッポンが冬眠に備えて脂が乗り、猟が解禁される(15日から)月でもあります。
 イタリアの白トリュフの収穫は10月の3週から。フランス国境近くの街アルバに集積され、日本ではアルバ産として売られています。ピークは11月。一方フランスの黒トリュフは南部のペリゴール産が有名。こちらのピークは12月。
 そうそう、酉の市で熊手を買い換えるのもお忘れなく。
野ウサギ(リエーヴル)
ジビエの女王様は野ウサギ(リエーヴル)の背肉。
山シギ(ベガス)
王様は山シギ(ベガス)の丸焼き。

どちらも強烈な香りと味です。
オペラこうもり
ヨハン・シュトラウスの喜歌劇『こうもり』はウィーンでは必ず12月31日に上演される年末の定番演目。華やかな舞踏会場面がウリです。

12月

 12月は、フグアンコウサバハゼと、海の幸の旬が目白押し。
 冬至にゆず湯に浸かり、落語の『芝浜』を聞き、ヘンデルの『メサイア』の演奏会(『第九』よりはこっちの方が通!)か、バレエの『くるみ割り人形』『ヘンゼルとグレーテル』、オペラの『こうもり』に足を運べば、ウィンナーワルツで始まった1年も、きれいに締めくくられます。
更新日2005年1月23日
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