トップ 今週のエンターテインメント 来週のエンターテインメント 東京コンシェルジュブログ フラウ東京コンシェルジュ
ホイチョイプロダクションズの東京コンシェルジュ ヒトによって評価がこれだけ異なる、レストランの味批評。本当においしい店はどこ?
12月は、クリスマスや忘年会などで、外食の機会が増える季節。そうしたニーズに合わせ、毎年12月、東京では話題の飲食店が続々オープン。2004年の12月も、4日にアラン・デュガスの『ベージュ東京』が銀座に、11日には、経営が変わってしばらく閉めていた『タイユヴァン・ロブション』が『シャトー・レストラン・ジョエル・ロブション』としてオープンするなど、話題は尽きません。 また、そうした外食シーズンに先立ち、晩秋には、レストラン批評本の新刊が次々に発刊されています。でも、批評本の味の評価ってどこまで信用できるんでしょう?

小平一雅 今回は、どのレストラン批評本が信用できるのか、そしてどのレストランが今一番おいしいとされているのか、を考えてみました。
近、『東京いい店うまい店』と『東京最高のレストラン』の最新版が相次いで書店に登場。前者は文藝春秋が1967年から出している老舗の批評本。後者はぴあが2001年から出している新興の批評本。これに1999年から出ている、ご存じ『ザガット』(賃貸住宅ニュース社。新刊は2005年3月)を加えた3冊が、今日の東京3大レストラン批評本と言って間違いないでしょう。

『東 京いい店うまい店』最新版が味で最高点(5ツ星)を与えた店は、和食では小室、庖正、辻留、と村、幸村、和幸の6店、フレンチでは北島亭、ロオジェ、レ・クレアション・ド・ナリサワ、ラ・ターブル・ド・コンマの4店、イタリアンは0、中華は赤坂璃宮、春秋、釣魚台養源の3店。  一方、『東京最高のレストラン』が味で最高店を与えた店(2人以上が採点して平均が9点以上)は、和食はと村、辻留の2店、フレンチはレ・クレアション・ド・ナリサワ、北島亭、ル・マノワール・ダスティン、ル・マンジュ・トゥー、ラ・ターブル・ド・コンマの5店。イタリアンと中華はゼロ(未だに料理界で和・仏絶対主義ってあるんですかね?)

して、以前からこの2誌の格付けに異論を唱えているのが『シェフ板長を斬る悪口雑言集I・II』(グラフ社)を出版した友里征耶なる人物。前2冊の最新刊が味で最高点をつけた仏・伊・和・中華の15店に関して言えば、友里氏は、辻留、和幸、庖正、ル・マノワール・ダスティン、璃宮、春秋、釣魚台養源斎の7店は未評価。ロオジェ、北島亭の2店はほぼ最高評価。と村、小室、ラ・ターブル・ド・コンマの3店はまずまず。幸村、ル・マンジュ・トゥー、ナリサワの3店はけなしまくっています。

里氏の批評姿勢で評価できるのは、彼自身が顔出しをしていないことと、1人で全店を回っていること――レストラン批評は覆面調査が筋で、料理人と友だちになるなどもってのほか。大人数の意見を平均するのではなく(1000店行ったヒトと5店しか行っていないヒトの意見を平均するのも問題なら、平均することで大好きと大嫌いの差が激しい店が中庸な評価になってしまうことも問題です)、1人の玄人が採点した方がずっと意味のある批評になります。大人数の意見を集めた『ザガット』の採点があまり頼りにならないのがいい証拠です。  また、友里氏は、ワインや料理の原価率についての知識も該博で、「森ビル等の高層ビルに入った飲食店は客一人当たりに家賃が約2500円が乗っけられている」などといった細かな指摘には、大いに耳を傾ける余地があります。

、その一方で問題なのは、かつての田中康夫同様、個人的不愉快体験から帰納法的に店を批評している部分がある店。田中康夫の場合、「オレがこんなイヤな目に遭ったんだから、みんなもイヤな目に遭うはずだ」というリクツで店をけなしていましたが、読者の多くは「あんたが嫌なヤツだから嫌な目に遭うだけで、普通の人は大丈夫だよ」と思っていたもの。このテの帰納法的論理は、空回りしがちです。


れともう一つの問題は、匿名批評であるという点。友里氏が非難している料理人やレストラン・ジャーナリストは、みんな逃げも隠れもせず実名で仕事をしています。そういうヒトたちの仕事ぶりをメディア上で匿名で非難するというのは、いかなる事情があろうとアンフェア(念のために言っておくと、この文章はホイチョイ・プロダクションズ代表、馬場康夫が書いています)。覆面性を維持したければ、顔を出さなければいいのであって、名前を隠す必要はありません。


の中、アジフライに醤油をかけるヒトもいればソースをかけるヒトもいるように、味の好みはヒトによって千差万別。また、同じ店でも皿によって味は大きく違うので、一つの店で自分の好みの料理に出会えるかは、ある種確率の問題。従ってレストランの味について客観的に批評するというのは、相当に無理のある行為と言えます(その無理を何とか実現しようとしてきた先人の試みには頭が下がる思いですが)。  下の表を見てわかることも、フレンチでは北島亭、和食ではと村が東京で今一番旨いらしいということと、味の好みはヒトそれぞれということではないでしょうか。


友里征耶氏の本と他のレストラン批評本の評価の違い一覧
批評本4冊
*左から

『ザガット』
料理・内装・サービスの3項目を各30店満点評価
『東京いい店うまい店』
値段・サービスを星で評価
『東京最高のレストラン』
料理・サービス・内装など5項目を各10点満点評価
『シェフ板長を斬る悪口雑言集 I II』
IIは4段階評価。Iは段階評価なし。


北島亭
『東京最高のレストラン』で9.25(全飲食店中最高)、『東京いい店うまい店』で最高の5ツ星、『ザガット』で25点(全飲食店中7位)と、多くの批評本が、味のよさで東京のレストランの筆頭に挙げる、超正統派店・北島亭(東京都新宿区三栄町7 JHCビル1F TEL:03−3355-6667)。場所はさえない商店街の真ん中、店構えはまるで喫茶店、内装は一時代前のビストロ、メニューは安物のホワイトボードにマジック書き、それでいて味はとびきり最高という、飲食店としての付加価値を徹底的に無視した、ある意味キモチいい店です。

レ・クレアション・ド・ナリサワ
『レ・クレアション・ド・ナリサワ』
(港区南青山2-6-15 TEL:03−5785-0799)は、小田原の伝説のレストラン『ラ・ナーブル』の成澤シェフの東京進出店。雰囲気は抜群ですが、値段もまた抜群。味に関しては友里征耶氏と同意見です。

ロンフウフォン
世間の評価は高いのに、友里征耶がけなしている代表が『ロンフウフォン』(港区白金5-12-17 TEL:03-3449-5969)。確かに予約の取れなさ加減は尋常ではありませんが、コース5800円〜ならこれで全然OKじゃん!

更新日2004年12月12日
森ビル 免責事項 J-wave