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 東京のクラブはここ1年、大人向け大箱ディスコと、マニア向けクラブの分化がますます進行。元気があったのは前者の方で、『マハラジャ』復活、『オービエント』や『a・life』の盛り上がり、六本木『ヴァニラ』誕生と、話題には事欠きませんでした。

小平一雅  そもそも都心でディスコが開ける大型物件は、家賃が月1千万円。子供相手じゃ到底ペイしないということもあるのでしょう。一方、後者は、ジャンル別の専門化が進み過ぎて全体のムーブメントが見渡せない状況に。強いて言えば、DJを拝む時代が終わり、DJもレコードを回すだけじゃなく、その場で演奏している感(実際は身体をよじりながらつまみをいじってるだけですが)を求められるようになったということでしょうか。今回は恒例のクラブ特集です。
2 003年の東京の大人のクラブ・シーンで一番盛り上がったのは、箱でもDJでもなく、実は海外の大手ブランドが、三井倶楽部小笠原伯爵邸などで開いたパーティーでした。
 たとえばプラダは、2003年6月の青山店オープンの際、三井倶楽部の建物の中にダンスフロアを3つ設けた大がかりなクラブ・イベントを開催。プラダほどのブランドの主催となると、日本に滅多に来ないロンドンの大物DJを一晩だけのイベントのために来日させ、かける音楽は最先端のエレクトロ、客はセレブばかり。DJがどんな曲をかけているのかDJブースの前で血まなこになって見ている子供(ガキ)が一人もいない、実に大人の雰囲気のいい感じのパーティーになります。

にも、フェンディが新木場のクラブ・コーストで、タケオキクチが目黒のホテル・クラスカでと、クラブ・イベントはファッション界のプレスの間で大流行。先端人種の間では、クラブに行くより、ブランドのパーティーに行った方が本物のクラブの空気が吸えるともっぱらの評判です。

方、所謂「ディスコ」の方は、2003年は店の消長がむちゃむちゃ激しい1年でした。
 神楽坂のパラパラの聖地『ツインスター』は、11月からウェディング向けの大型レストラン『ラリアンス』に。西麻布の『リング』も、12月からは穴子・鰻・ハモなどのニョロニョロ系の魚料理専門の和食店『捌(はち)』と、シャンパン・ラウンジ『バブルキューブ』に、麻布十番の『ルネス』と渋谷『フーラ』も9月で閉店、その『フーラ』と同経営の竹芝『クラブ・ジ・アース』も春先で閉め、こちらは経営元は変わらず、1Fにあったゲーセンも吸収して前より広い『キアラ』に生まれ変わりました。

に、2003年当たった店の代表が、西麻布と六本木の中間にある大箱ディスコ『a・life』です。2002年夏のオープン直後はドン底だったのですが、タダ券のばらまき方が上手かったのか、曲をディスコ・クラシック一色に染めたのがよかったのか、とにかく、今や週末は超混雑状態。
 また、有線ブロードネットワーク経営の『ジ・オービエント』も、3月までは寒かったのですが、2003年11月に運営会社を総取っ替えし、M-CARLOの中野元社長をスタッフに入れて黒服を固め、スーパーバイザーにかつての『マハラジャ』で当てた成田勝を迎えて、いい女が集まる店にすることに成功。ホットな箱になりました。

年年末は大箱クラブのオープンが目立つものですが、2003年暮れには、西麻布交差点近くの『muse』が、『ロメオ・ダイニング』等が入っているバルビゾン27ビルの地下に、2店目の『ニケ』を出店。『muse』がいつの間にか外国人向けパブになってしまったので、こちらは客層を日本人狙いに絞っています。

して、2003年暮れの最大の話題は、何と言っても六本木のTSKCCCビルの中にできた超大箱『ヴァニラ』のオープンでしょう。TSKCCCのTSKとは、1973年にこのビルを建てた『東亜相互企業』の頭文字、CCCは『セレブリティ・チョイス・クラブ』の略!(昔は会員制のクラブだったそうです)。以前は披露宴会場だった2・3Fに大幅に手を入れ、昔のゴールドみたいに靴を脱いで上がる和室仕立てのVIPルームや、ドイツ居酒屋風レストラン、ギャラリーなどが複雑に入り組んだ面白い空間を創造。曲もディスコ・クラシックは敢えて避け、とがったハウス系をかけて、オシャレ業界関係者を集めることに成功しています。
 また、2003年までパイロンとして営業していた地下は、70年代を感じさせるレトロな内装をほとんど活かしたまま、『ヴァニラ』とは別入口の『スパイラル』(こちらはイベント貸しが中心)というクラブになりました。

後にもう一つ、2003年、意外な方向で盛り上がったのが、レゲエでした。横浜のFireballというグループが走り屋の間で人気が出て、なぜか神奈川・埼玉・名古屋のヤンキーの間にレゲエが普及(ジャージが正装のレゲエは、元来田舎には広まり易い音楽かもしれません)、八景島で開かれた横浜レゲエ祭りは、1万枚即日完売。渋谷の『ナッツ』で月1で開かれているイベントも、地方ナンバーのシャコ短車を集め、異様な盛り上がりだとか。
 この話、クラブ・シーンは、ちょっと目を離すと、何が起こるかわからないという、いい教訓なのではないでしょうか。

オープニングの際には、喧嘩騒ぎでニュース沙汰にもなった六本木の『ヴァニラ』(TEL:3401-6200)。一時は警察に目をつけられて営業時間もタイトになり、苦戦していましたが、今は落ち着いていい客が集まり、週末はかなりの賑わいをみせています。イラスト上は「まずは一杯」のバーカウンター。下は琴の演奏イベントもある和風ラウンジ。料金は2ドリンク付男性4000円、女性3000円。ちなみに、建物のTSKCCCビルは、ロッキード事件の舞台にもなった、日本裏面史では有名な建物です。

個室和食で名を売ったキューブグループ、旧『リング』跡に作ったシャンパン専門ラウンジ『バブルキューブ』(TEL:03-3423-3032)。内装は安っぽいけど、シャンパン14種類のグラス売りはいい狙い。ちなみに1Fは穴子・鰻等の長物専門和食店『捌』。

『クラブ・ジ・アース』が拡大改装した竹芝の『キアラ』。麻布警察の管轄下には、風営法にひっかかる店が1300軒あるのに対し、竹芝の水上警察の管轄内には8軒しかないそうで、竹芝のディスコはいろいろと苦労が多いようです。

西麻布に2003年12月にできた『ニケ』は、2フロアあってB1はハウス、B2はオール・ジャンル。週末以外の入場料は男女ともワンドリンク¥1000円。バーとしての使い勝手がいいのが取り柄。B1には、まったりできる個室もあります。

オイスターバー『マイモン』で急成長中のフードスコープが、西麻布の『マイモン』の地下に作ったセンスのいいラウンジ『フェリア』(TEL:03-5413-5888)。DJブースもありますが、最大のウリは奥に3部屋あるカラオケルーム!外国人が盛り上がってます。

更新日2004年1月25日
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