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 カラオケは今や全地球的娯楽。アメリカ『TIME』誌が、カラオケ機を発明した井上大祐さんを「世界に影響を与えた20人のアジア人」の1人に選んだのは、まだ記憶に新しいところ。
 また、カラオケBOXが誕生したのは1985年(第1号は岡山で船舶用コンテナを改造して作ったものだったそうです)。やがて女子高生がカラオケBOXに通うようになり、業界の売上げがピークを迎えたのは1996年。


小平一雅  が、その後は、過当競争による値下げ合戦で、売上げも店舗数も右肩下がり。その傾向にようやく底が打たれたのは、2002年のこと。それが2003年になって、ブロードバンド対応機や大人向け高級店等、業界に新しい動きが見られるようになりました。今回は、そんなカラオケBOXのお話をいたしましょう。
ラオケ機が発明された1971年当時、世の中にはCDもDVDも存在しなかったため、目的の曲をできるだけ早く呼び出す機械として採用されたのは、8トラックのテープでした。が、このテープ、1巻に4曲しか入らない上に、サイズがバカでかかったので、初期のカラオケ機が装備できた曲数はたかだか300曲。
 それから12年後の1983年に、パイオニアが発表したレーザー・カラオケは、1台につきLD(レーザーディスク)144枚を収容、LD1枚には約30曲が入るので、1台のマシンの曲数は約4000曲に拡大。映像がついたので画面上で歌詞を見て歌えるようになり、曲を呼び出すスピードも飛躍的に速まりました。

らに、1992年には、通信カラオケが登場。通信カラオケとは、店に設置したマシンの中のハードディスクに、電話回線を使って楽譜を送り(送るのは音ではありません、楽譜です!)、客が曲を選んだら、その曲の楽譜を瞬時にディスクから読み出し、マシンが演奏するシステム。これにより、曲数は無限に増加した上、リリースされたばかりの新曲も歌えるようになりました。

して、2002年から始まったカラオケ界第3の技術革新が、ブロードバンド革命です。
 例えば従来の通信カラオケのマシンでは、コーラスの人の声とか、演歌のイントロのむせび泣くサックスとかいった微妙な音は、完全には再現できなかったのですが、ブロードバンドでは、楽譜だけでなく、音をそのまま送って再生できるので、音質が劇的に向上。

た、ブロードバンドは映像も送れるので、曲と一緒にそのアーチストのビデオクリップを送り、曲のバックで再生できるようになりました。アーチスト本人が作ったビデオクリップは、制作費がかかっているので周りのヒトも見ていて飽きませんし、アーチスト本人が歌う画(え)を見ながら歌えば、気分的にアーチストになり切ることができ、キモチいいもの。
 そもそも従来のカラオケは、マシンが内蔵したDVDに収められた映像の中から歌詞に合った画を選んで出していたので、歌詞が似ていると別の曲でも同じ画が出たりしていたのですが、ブロードバンドでは曲ごとに違う画が出るというメリットもあります。

ラオケマシンのトップ・メーカー、第一興商は、来年から会員を組織化し、カラオケマシンに会員カードをかざして歌うと、自分がその日にその歌を歌ったヒトの中で何位か、画面に名前入りで表示され、その順位が5分単位で更新されてゆくランキング・バトルや、自分の歌をブロードバンド回線でセンターに送ると、プロの審査員がそれを聴いて細部にわたって採点し、後日、段位と講評を受け取ることができる歌唱検定システムなど、ブロードバンドの双方向性を活かした、さまざまなサービスを始めるそうです。

次本も大きく変わりました。通信カラオケの登場以降、新曲は、毎月500〜600曲、年間6000曲以上のペースで増えており、2001年には目次本の重さが2キロを超えてしまいました。そこで登場したのが、電子目次本、略してデンモクです。デンモクは、検索が便利なだけでなく、例えば、年齢をインプットすると、自分が中学1年のときに流行った曲とか、その年の紅白歌合戦の曲とかが一発で探せるようになり、昔の歌を歌うのにとても便利。他人が歌っている間も、デンモクをいじってるだけで退屈しません。

ころで、今日、カラオケBOXのトップシェアは、都市対抗野球でおなじみシダックスです。同社がカラオケBOX事業に進出したのは僅か10年前の1993年。もともとが、会社や病院などの食堂への給食事業で伸びた企業なので、食べ物を扱うのはお手のもの。鍋料理を導入するなどしてフード類を充実させ、客を1次会からカラオケBOXに引っ張ったり、しっかりした営業で企業の宴会を取ってきたり、都心の価格戦争を巧妙に避け、人口10万人以上の地方都市だけを狙って出店したり、徹底したマーケティングで急成長。ブーム衰退の影響で他社のカラオケBOXが縮小してゆく中でも着実に店を増やし、今では266店を数えています。

ダックスが、高校生ではなく、ファミリー層を中心とした大人層を吸い上げたことに刺激を受け、今はカラオケ業界全体がターゲットを20〜30代にシフトしており、イラストで紹介した通り、競争の激しい都心部には、大人向けの豪華なカラオケBOXがどんどんできています。
 貴方も、大人向けになったカラオケBOXでブロードバンド化した最新のカラオケを試されてはいかがでしょう。





 カラオケ 年度別売上げ・参加人口推移
第一興商直営のビッグエコー傘下の『ディアナ銀座』(TEL:03-3248-1616 中央区銀座3-14-2)は、リビングルームのような高級感ある内装が売り。全20室に50インチ大型テレビを設置。料金は21:00以降で1人30分600円から。

2003年12月5日、六本木に誕生した11店目の『パセラ』フリーダイヤル 0120-911-086 港区六本木5-16-13)は、1つのビルの中に同経営のレストランやダーツ・バーも。店員を呼ばなくてもリモコンでフードや飲料をオーダーできるシステムが売り。

第一興商が2001年に出した『デンモク』は、従来営業マンが年4回店に配達していた目次本を電子化したもの。画面にタッチするだけで検索から予約まで行え、本を入れ替える必要もありません。2003年、小型の『Coデンモク』も発売されました。

彩季グループが2003年4月に西麻布に作った『ボイス』(TEL:03-5778-4707 港区西麻布4-2-2)は、部屋数は5室ですが、いずれもイタリア製家具で統一されたカラオケBOX史上最高級店。料金は1時間、男性¥2000、女性¥1500。

六本木のゴトウ花店の上の3・4階に2003年11月1日にオープンした『フィオーリア・アリアブル』(TEL:03-5413-8877 港区六本木5-1-3)は、全25室それぞれのコンセプトが異なり、シンプルな和室・洋室から、壁に触れると様々な音が鳴り響く部屋、フットバスをしながら歌える部屋等々、二つと同じ部屋がない高級カラオケBOX。料金は1室30分¥2500から。なお、上図のジャグジー付きの部屋は、更衣室がついており、水着やタオルは無料で借りられます。

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