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 焼き鳥は、寿司などと違って、食べる順番にルールもなく、ヘンな隠語もはびこっておらず、気安く食べられる大衆料理。その上、高級店で腹いっぱい食べても、料金は一人7〜8千円。ヘタな懐石料理店の半額ですみ、それでいて、たいていの懐石料理よりおいしいものが食べられます。その焼き鳥が今、みのもんた的な見地からも見直されています。

小平一雅  たとえば、砂肝は脂肪は少ないのに美容にいいビタミンB2を豊富に含んでいますし、手羽先やナンコツはコラーゲンが豊富な上に、ビタミンCと一緒に摂ると(つまりレモンを絞ると)その効果は一層増すと言われています。今回は、そんなビューティーの素、焼き鳥について、お話しいたしましょう。
来、肉は、できるだけ大きなかたまりで焼いた方が中に肉汁が封じこめられておいしいはずなのに、焼き鳥という料理は、それをわざわざ一口サイズに切って焼くのですから、何か秘密があるはず。その秘密の鍵を握るのが炭です。炭は、炎を出さずに熱を発するので肉に焦げめを作らず、また、遠赤外線の力で内部まで温める力があります。ことに硬い樫の木で作る紀州備長炭は、臭いがなく、高温(1000℃)で長時間燃えるという特徴があります。
 備長炭を使った焼き鳥は、短い時間で焼き上がるので、小さい肉片でも水分が抜けず、中に肉汁が封じ込められる上、温度が高いので、アミノ酸が旨味に変わっており(700℃前後で変わると言われています)、ガスや電気で焼くよりもおいしいとされています。最近、街で「紀州備長炭使用」の看板をよく見かけるのは、こうした事情によるものです。 ちなみに、焼き鳥屋サンがよくウチワで扇いでいるのは、火を起こしているのではなく、熱を逃すため-それなりの温度調整も必要なようです。

ころで最近、街の焼き鳥屋サンで「紀州備長炭使用」と同じくらいよく見かけるのが、地鶏という言葉。地鶏本来の意味は、日本土着の鶏。縄文の頃から、日本人にとって鶏は、おいしい卵が取れる上に、肉まで食べられる貴重な栄養源。仏教伝来以降、表向きは鶏肉の食用は禁じられできましたが、実際にはよく食べられていたようで、タイのシャモや中国のコーチン等の外来の鶏とかけ合わされ、明治の頃までには、鹿児島の薩摩鶏、秋田の比内鶏、愛知の名古屋コーチンといった、日本土着の食用鶏の品種(=日本鶏)が確立しました。

の日本鶏の最大のライバルが、第二次世界大戦中にアメリカで開発されたブロイラーです。ブロイラーとは、短期間で成長する鶏の総称で、普通の鶏が一人前に育つのに4カ月かかるところを、ブロイラーは約50日で成長。普通の鶏よりデカいので解体の手間が少なく、性格がおとなしいので、狭い場所に数百羽を閉じ込めて飼ってもケンカせずに無事に育つという特徴もあります。さらに、生後50日の若鶏なので、肉が柔らかく、火で焙っても(ブロイルしても)硬くならず、アゴが弱くなった現代人にはピッタリの肉と言えます。1960年頃、日本に初めて入って来て、飼育コストの安さゆえに市場を席巻。おかげで鶏肉の値段は劇的に下がりました。
 但し、ブロイラーは、ひな鶏をむりやり成長させた肉なので、水分が多く(つまり水太りです)、旨味に欠けると言われてきました。またエサに抗生物質等を混ぜるので、その臭いが肉に移り、臭みを感じるというヒトもいます。

こで1980年代になると美食ブームに乗って、再び地鶏が見直されてます。地鶏は、育てるのに時間がかかる分、肉は締まって味も深く、自然な餌で育てられた健康な鶏というイメージもあって人気を盛り返したのです。 ブームのおかげで、外国産でも勝手に地鶏を名乗る商品も現れ、混乱を収拾するために、1999年、農水省が地鶏のJAS規格を定め、「日本鶏の血が50%以上入っていて、孵化してから出荷までに80日以上をかけ、28日目以降は1m2あたり10羽以下の飼育密度で、平地に放し飼いにしたもの」と規定。 さらに、日本鶏の血は入っていなくても地鶏と同じ手間をかけ、広い場所で育てた鶏を銘柄鶏と呼ぶことにしました。(地図参照)。

、実際のところ、最近は、ブロイラーでも自然の餌で育てたものもあり、必ずしもブロイラーだからまずいとも限らないのが実情。それが証拠に、多くの食通が東京のベスト焼き鳥店に挙げる六本木の『鳥長』は、胸を張ってブロイラーを使っています。  むしろ、鶏肉で重要なのは鮮度。鶏肉が熟成期間がたいへん短い肉で、死んでから8〜12時間でおいしさがピークに達すると言われます。それだけに、鮮魚並みの鮮度が要求されるのです。

い店は冷凍肉を使っている場合が多いので、初心者の貴方は、まずはイラストで紹介した高級店にお運びください。高級店は肉の鮮度がいい上、煙をダクトで外に逃しているので、服に臭いが移らずにすみます。
鮮度のいい鶏肉は、タレではなく塩で食べても十分においしいので、レバもつくねも塩でどうぞ。
それと、鶏肉の持つイノシシ酸は、日本酒の味の主成分であるグルタミン酸と混ざり合うと、相乗効果で旨味になると言われます。焼き鳥に日本酒。ぜひ、お試しください。

『鳥よし・西麻布店』(港区西麻布4-2-6 菱和パレスB1 TEL:5464・0466)は、中目黒の同名店が、1999年、西麻布ウォールビル裏に出した2号店。ご主人は、10余年フランスで焼き鳥を焼いていたという変わり種。西麻布店は中目黒店以上に高級感溢れる作りですが、お値段は、お腹いっぱい食べても5000円と、かなり割安。肉は伊達鶏を使用。「鶏わさ」や「土佐酢造り」など、刺身系のメニューも充実。客席はサラリーマンが8割で、店内には威勢のいいかけ声が飛び交っており、かなり男っぽい雰囲気です。

『鳥長』(港区六本木7-14-1 TEL:3401・1827)は、1964年から営業をつづける六本木高級焼き鳥店の走りの店。カウンターのみの静謐な空間は、田中康夫も著書で絶賛。

『伊勢廣』(中央区京橋1-5-4 TEL:3281・5864)は、大正10年から鶏肉専門商として営業していた老舗中の老舗。デパートにも入っていますが、京橋本店は一度訪れてみる価値あり。

『串八』(港区六本木3-10-9 TEL:3403・3060)は、イタリー料理GINOと同経営の30年の歴史を持つ六本木高級焼き鳥店。内装が抜群。ご贔屓筋には米カーター元大統領も。


更新日2003年8月31日
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