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 日本人が「パーティー」と聞いて思い浮かべるのは、丸テーブルの上のビール瓶の栓を自分で開け、ワゴンの前でコックにローストビーフを切り分けて貰う、ホテルの宴会場でのパーティー。
 できればパスという感じですが、最近、そんなオヤジ臭いパーティーとはまったく別のオシャレなパーティーが広まりつつあると言います。

小平一雅 新しいパーティーの特徴は、
1.飲み物はまずシャンパン。
2.サービス係は女性ではなく男性。
3.会話のキッカケとなるサプライズが必ず用意されている。
の3点。
 パーティーは地元の社交に根づいたクローズドなもので、旅行者は入り込めない世界。それだけに、町を知るには、パーティーを知るのが一番。今回は、最近の東京のパーティー事情に注目してみました。
況下でもなぜか元気一杯の東京パーティー・シーン。その原動力は、破産した日本企業に代わって都心のビジネス街に次々に進出している外資系企業です。中でも、アパレル、クルマ、宝飾、コスメ等の関係の外資は、パーティーをPR活動の一環として利用するのがお得意。
 パーティーは、発言力のあるマスコミ関係者に飲食やおみやげを提供して自社ファンに囲い込んだり、セレブを招いてTVのワイドショーに撮って貰うことで、数千万円分のメディア露出を得ることも可能。高くつくようで、意外に効率のいいPR方法と言えます。

とに形式の斬新さと開催数の多さで際立っているのが、外資系ファッション・ブランドのパーティーです。ファッション・ブランドにとって最も重要なPRの場は、従来はファッション・ショウでした。が、最近のショウは、演出がどんどんシンプルになってきており、衣裳点数は200点から50〜60点に、時間は40〜50分から20分に減少。その代わり、ショウの後にパーティーを設け、そちらに予算をシフト--さらに、新店のオープンや新商品の発売時等、ことあるごとにパーティーを開くブランドが増えました。

うした方法を流行らせたのはルイ・ヴィトン・ジャパンと、同社のパーティーのプロデュースを一手に引き受けているSUNプロデュースです。2002年8月末、両社が手を組んで開催したヴィトンの表参道店のオープニング・パーティーは、今も関係者の間で『史上最高のパーティー』と評価が高い傑作パーティーでした。
 このパーティーのテーマは「エキゾチック」。客はエキゾチックな小物を何か一つ身につけて来るのがルール。招待状で指定された時間に表参道店に行くと、事前には伏せられていた秘密会場の神宮絵画館(イラスト参照)にバスで移動。建物の中を通って裏庭に出ると、生きたラクダがお出迎え。ベリーダンス、モンゴル相撲、中国雑技とエキゾチックなサプライズが数多く用意され、食事はエスニックの有名店が出店。市川新之助・米倉涼子カップルから浜崎あゆみまで、セレブ中のセレブが集まり、たいへんな話題になりました。

かにも、SUNプロデュースは、2000年のルイ・ヴィトン銀座店のオープニングでは湾岸の鈴江倉庫を、2001年の札幌店オープンでは札幌新聞社の地下の印刷工場跡を、2002年の神戸店オープンでは神戸港のコンテナヤードを、さらに、2003年3月のゲランのパーティーでは、東京国立博物館の法隆寺宝物殿を会場に利用--いずれも、一夜限りの会場にオリジナルな空間を作りだし、パーティー慣れしたマスコミ関係者たちの度肝を抜きました。

UNプロデュースのパーティーは一見派手ですが、コンセプトが浮ついていないのが特徴。例えば前述の神宮絵画館でのパーティーでは、ヴィトンのマークが日本の家紋にインスパイアされて作られた歴史を踏まえ、絵画館に展示された日本の美術品の中からヴィトンのマークに似た家紋をいくつか見つけ、その前に固定望遠鏡を設置し、レンズを覗くと家紋が見えるという趣向を用意。こうした文化的な意味づけを、どのパーティーにも持たせています。

ころで、パーティーでドレス姿の女性が、立ったまま、カトラリーを使って皿から何かを食べている光景は、決して美しいとは言えません。その点に注目し、片手でつまめて一口で食べられるフィンガーフードの様式を確立したのが、ブラッスリーDの初代シェフ田口啓司です。彼は1996年に独立して、パーティー向けケータリング専門会社、ポアンドジュウルを設立。今では六本木にキッチンを設け、月に50〜60件のパーティーを請け負い、その分野で圧倒的なシェアを誇っています。彼が作る見た目も鮮やかなフィンガーフードが、東京のパーティーのオシャレ度をよりアップさせたことは間違いありません。

うした状況を踏まえ、2002年11月、パーティー文化をテーマとするテーマ・マガジン、トレサンパが創刊されました。ブランドのパーティーは、よほどの重要顧客でない限り招待して貰えませんが、せめてトレサンパのパーティー・フォト(欧米ではパーティー写真自体が一つの文化です)で、貴方もパーティーの空気に触れられてはいかがでしょうか。

2001年11月、ルイヴィトン札幌店のオープニングで、SUNプロデュースが一夜限りのパーティー会場に設定したのは、札幌新聞社の地下に残された印刷工場跡。ダクト剥き出しで印刷機械も残されていた会場には、氷の中に浮かべたヴィトン製品が並べられ(右上)、客を驚かせました。こうしたスペクタクルなパーティー会場設定はパリが発祥ですが、今や日本が追い越したともっぱらの評判です。

2002年8月31日の、ルイヴィトン表参道店のオープニング・パーティーは、神宮絵画館の裏庭がメイン会場でしたが、動線には絵画館の内部も開放され、さらに、絵画館の建物全体にLVマークが投影され、1200名の招待客の度肝を抜きました。

ポアンドジュウルのフィンガーフードは、従来の銀のトレイではなく、カラフルなアクリルボードを皿として利用し、見た目も鮮やか。

※右上より時計回りで
お得意の手まり寿司
枡を利用した一口ちらし寿司
デザートには一口ムースも
ピンチョス系もいち早く採用

トルティーヤとその器の筒。筒に入れることで、片手でエレガントに食べることができる、優しい気配りです。

ポアンドジュウルは、パーティーの常連たちの強い要望に応え、2003年4月16日、広尾の日赤通り商店街に、レストラン『ポアンドジュゥル・ド・パティオ』(TEL:5774-5788)をオープンしました。地下ですが、天窓から日ざしのさしこむ明るい店です。

更新日2003年6月29日
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