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 まろ茶・熟茶・生茶・聞茶・旨茶と、大手飲料メーカーが日本茶ペットボトルを次々に出したおかげで、日本茶は若者の飲料として復活。その余波か、最近東京には、様々な種類の日本茶を紅茶専門店のように大きな缶に入れて棚に並べ、正しい入れ方で飲ませる日本茶カフェが急増。

小平一雅  これまで日本人には、日本茶はタダで飲めるものという固定観念がありましたが、先に起こった中国茶ブームのおかげで、丁寧に入れたお茶は金を払っても飲むべき、という考えに変わったようです。
 そもそも日本茶は、ビタミンCはレモンの5倍。抗酸化効果の高いカテキンも豊富でフラボノイドが口臭を予防するなど、いいことずくめ。貴方も中国やイギリスのお茶に目を奪われていないで、日本のお茶に注目されてはいかがでしょうか。
たちが日頃飲んでいる日本茶は、煎茶・番茶・玉露・ほうじ茶の4種類。どれも、葉が採れる木は同じ(基本的には紅茶やウーロン茶も同じ)ですが、5月に摘まれる1番茶の柔らかい葉で作られるのが煎茶。6月に摘まれる2番茶以降の固い葉で作られるのが番茶。葉を摘む20日ほど前から葉に覆いをして太陽を遮り、アミノ酸を葉の中に蓄えさせたのが玉露。安い茶葉を炒って香りを出したのがほうじ茶です。

本茶を作る工程は、摘んだ葉を、1.まず風に当てて乾かし、2.蒸気で蒸し、3.熱風で乾かしながら揉み、4.葉に圧力をかけながらさらに揉み、5.最後に撚る││紅茶やウーロン茶は摘んだ葉を酸化酵素で発酵させるので、発酵茶と呼ばれるのに対し、日本茶は2.の工程ですぐに熱処理するため発酵はなく、不発酵茶(別名・緑茶)と呼ばれます。

本茶を代表する茶と言えば煎茶。煎茶の命は苦みと甘みのバランスですが、その決め手は、2.の「蒸す」工程。蒸し時間が長ければ長いほど、香りが弱くなる代わりに、カフェインが飛んで渋味が抑えられ、飲み易くなります。最近流行の深蒸し茶は、その名の通り、蒸し時間が長い煎茶。熱湯でも渋味が出ず、また、長く蒸した分、葉の組織がもろくなって味が出やすいので、熱湯でサッと入れて飲むことができ、大ざっぱな人に向いた煎茶と言えます。
深蒸しでない普通の煎茶は、湯温が高いと渋味が出てしまうので、湯は80℃前後が適温。1煎目は葉が開くまで時間がかかるので、抽出に2分必要。1煎目以降は30秒でOK。入れるには細心の注意が必要ですが、葉の含むカフェインはコーヒー以上で、朝の目覚めに最適のお茶と言えます。

方、昔から安いお茶の代表のように言われているのが番茶です。確かに番茶は、甘味や旨味は劣りますが、葉が太陽の光をたっぷり浴びているので、陽光で醸成されるカテキン(発ガン抑制やコレルテロール低下効果があります)が豊富で、香りもよく、煎茶とは別の魅力があります。

た、日本茶の最高峰と言われるのが玉露です。玉露の葉の中にはテアニンというアミノ酸成分(言ってみりゃ、味の素)がたっぷり含まれており、おいしい玉露は「だしの味がする」と言われます。このアミノ酸の旨味を引き立てるには、50℃のぬるい湯で2〜3分かけてゆっくり抽出し、渋味が出ないようにするのがコツ。ちなみに、湯温は器を一度つぎ替えるたびに10℃下がります。つまり沸騰した湯を5回つぎ変えれば50℃になるわけです。

ころで、緑茶の香りの主成分の青葉アルデヒドには、リラクゼーション効果があると言われています。そこで、最近注目されているのが、茶葉をロウソクの火でゆっくり加熱して青葉アルデヒドを発生させ、香りを部屋で愉しむ茶香炉(図参照)。これと同じことを強い火力でやるのが、ほうじ茶です。ほうじ茶は、昔はみんな自宅で味の落ちた番茶をフライパンで焙って作っていたそうですが、今はお茶屋さんの仕事。香りを愉しむお茶ですから、沸騰したての100℃の湯を使い、30秒ほどでサッと入れるのがコツです。

本茶の葉の味を決める上では、産地も重要な要素です。たとえば同じ煎茶でも、静岡産は、コクがあり、湯飲みの底が見えないほど濃いのに対し、滋賀・京都などの西日本産は、薄味で水色にも透明感があります。濃い醤油味が好まれる関東では、静岡産の煎茶が圧倒的な人気だそうです。 また、茶を入れる急須は、日本茶がおいしくなる土と言われる常滑焼萬古焼(「ばんこやき」と読みます。念のため)がベスト。よく家庭で使われている中に丸い網をはめた形の急須は、葉が開くスペースが狭いので味はイマイチ。網のない急須をお勧めします。

うした正しい道具を使って、正しい温度、正しい抽出時間で、様々な日本茶の味を愉しませてくれるのが、日本茶カフェです。走りは銀座松屋地下の茶の葉。今のようなスタバ式禁煙カフェの第1号は、駿河園という静岡のお茶屋サンが四谷三丁目に出したGreen Bird。それをさらに発展させたのが広尾の蒼庵。こちらは、NYのSOHOのカフェをイメージしたオシャレな店です。まずは蒼庵で、日本茶の魅力を体験されてはいかがでしょうか。

広尾商店街の「蒼庵」(5789-3290)は、BGMはジャズ、椅子は北欧製、棚に洋書が並ぶモダンなカフェ。カウンターの中央にある南部鉄の湯釜から、一煎ずつ丁寧にサーブしてくれます。鉄瓶で沸かした湯は、鉄分が多く含まれている煎茶の味の相性がいい上、冷めにくいという長所が。十数種のスタンダードなお茶の他、水出しのお茶や、ほうじ茶をミルクで煮立てたほうじチャイなど、珍しいお茶も。1杯600円と言っても、4〜5煎目までみんな飲むので、粘れば結構安上がりです。

銀座・西五番街の「茶・銀座」(3571-1211)は、築地駅前の「茶の実倶楽部」と同系列店。1Fはお茶と茶器の販売カウンターがあり、2Fは喫茶スペース。

Green Bird(5368-0785)は新宿通り沿いにあるドトール式のセルフサービス・カフェ。日本茶は1杯200円から。テイクアウトもあり。おにぎりやお茶漬けとのセットは500円。OLたちの昼食に人気です。

青山の『茶通人』(5772-2662)は、高田馬場の老舗・愛国製茶が経営するお洒落な日本茶専門店。カフェではありませんが、店の隅のテーブルで全国44種類の日本茶を試飲して買うことができ、品揃えでは東京随一です。

茶葉をロウソクで焙り、香りを楽しむ茶香炉。値段は2000円前後。(但しこれで焙ってもほうじ茶はできません。)


茶通人で販売している主な茶葉
茶葉の種類 抽出の適温 産地 『茶通人』での50gの価格 味や香りの特性 お茶の水色
玉露 40〜60℃ 福岡・八女 1000〜1500円 天然アミノ酸の旨味 黄緑色
京都・宇治 1500〜2500円 鮮緑色
煎茶 70〜80℃ 鹿児島・知覧 500円 強めのコクあり 深緑色
滋賀・朝宮 500円〜750円 苦渋味の中に甘味 黄緑色
佐賀・嬉野 500円〜750円 黄金色
三重・伊勢 500円〜750円 濃緑色
静岡・掛川 500円〜2500円 まろやか 鮮緑色
静岡・牧ノ原 500円 苦味すっきり 深緑色
埼玉・狭山 500円〜750円 苦渋味あり濃厚 黄緑色
番茶 85〜95℃ 京都・宇治 300円 甘味少なめ 薄い黄色
ほうじ茶 静岡・小笠 400円 香ばしい香り キツネ色
玄米茶 静岡・掛川 200円 香ばしい香り 黄緑色


代表的な日本茶カフェ
店名 電話 場所 創業 経営 お茶・茶器の販売
つきまさ 3410-5943 下北沢 1982年 つきまさ 有り
茶の葉 3567-2635 銀座松屋B1 1985年 未公表 有り
茶の実倶楽部 3542-2336 築地 1997年 うおがし銘茶 有り
茶通人
(カフェはなく試飲のみ)
5772-2662 南青山 1999年 愛国製菓 販売専門店
Green Bird 5368-0785 四谷三丁目 2000年 駿河園 有り
蒼庵 5789-3290 広尾 2001年 ランチ 有り
グリーンティーカフェ 3718-3552 自由が丘 2001年 グリーンティーカフェ 茶葉・ポットのみ
re cue 5459-5365 渋谷 2001年 キューブ なし
茶・銀座 3571-1211 銀座 2002年 うおがし銘茶 有り
更新日2003年2月9日
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