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 毎年12月になると、シャンパンの輸入会社は、自社ブランドの味を覚えて貰うために、東京の有名レストランやバーと組んで、シャンパンのキャンペーンを始めます。例えば2002年は、ヴーヴ・クリコがクィーンアリス・グループの『レストランW』や『トゥーランドット』にシャンパンボトルを使ったツリーを提供。メルシャンのポメリーが、ホテル日航東京の全館の飲食店で1万5千円のボトルをグラス売りする予定。

小平一雅  そのシャンパンですが、99〜00年はミレニアムのお祝いにと、世界的に消費量を伸ばしたものの、翌年には激減。多くのシャンパンハウスが株価を大幅に下げました。従って、今、シャンパンはダブつき気味。
これからクリスマスにかけては、シャンパンに入門するのに絶好のチャンスと言えます。今回は、クリスマスに向けて知っておきたいシャンパンの知識をお話しいたしましょう。
京ではクリスマスが近づくと、コンビニが1本700〜800円の甘ったるいガス入りの酒を「シャンペン」と称して売り始めますが、あれは本物のシャンパンとは似ても似つかぬ「なんちゃってシャンパン」。本物は、もっとずっと優美で繊細な味わいを持っており、本物のシャンパンと「なんちゃってシャンパン」との間には、シャネルとユニクロくらいの差があります
 本物のシャンパンは、ひとことで説明すれば、フランスの白ワインの一種。但し、普通の白ワインが、ブドウをつぶしてタンク内で発酵させ、それを濾してビンに詰めればできあがりなのに対し、シャンパンには、まだその先があります。ビンの中に一緒に酵母菌を加え、3年間、ビンの中でもう一度発酵させるのです。この二度目の発酵で発生した炭酸ガスは、逃げ場がないため、ビンの中のワインに溶け、それがあの独特の泡になります。つまり、シャンパンの泡は、後からガスを加えたのではなく、あくまで自然な発酵で作られたものなのです。

ン内での発酵が進むと、やがてビンの底には酵母の死骸が「澱(おり)」となって溜まり始めます。その澱は左上図のような方法で取り除かれるのですが、その際、澱と一緒に捨てられる水分の量が微妙に違うため、シャンパンはビンによって、量のバラつきが生じてしまいます。そのバラつきを隠すため、シャンパンは、ビンの口の周りに金銀のフォイルが巻かれます。
澱を除去したシャンパンには、普通、砂糖が加えられます。そのときの砂糖が加えられます。そのときの砂糖の量によって、シャンパンの味は5つの段階に分類されます。
 一番甘いのが、ドゥ、次がドミ・セック、真ん中がセック、その次がエクストラ・セック、一番の辛口がブリュット。ブリュットとは本来「自然のまま」の意味で、要するに、砂糖を加えないシャンパン。砂糖を添加しないのは、原料のブドウの味に対する自身の表れであり、ブリュットのシャンパンは、砂糖入りのエクストラ・セック以下のシャンパンよりも、高級で味がよく、料理との相性もよいとされています。

うして甘さを調節したシャンパンは、味を安定させるため、それからまたさらに1年寝かされます。つまり、シャンパンは最低でも通算4年は寝かさなくてはならないわけです。たとえば有名なドン・ペリニョンは、今、市場に出回っている一番新しいものでも1989年産。8年寝かせています。

 これだけの手間と時間をかけて作るわけですから、シャンパンの値が張るのもむべなるかな。シャンパーニュ地方の人々は、自分たちが作る酒、シャンパンの名前に絶対の自信と誇りを持っており、4年前にサン・ローランが香水に「シャンパーニュ」という名前をつけたときも、すぐにその名を変えさせたほどでした。

ころで、フランスのワインは、その銘柄に、原料のブドウが作られた土地の名がつけられるのが普通で、「シャンパン」も、「ボルドー」等と同じくフランスの一地方名ですが、ボルドーのワインの銘柄が、さらに、メドック(=県名)とかポイヤック(=村名)とかシャトー・マルゴー(=畑の名)とかいった、より細かい土地の名で呼ばれるのに対し(区切り方が狭ければ狭いほど、ブドウの個性が強く出たよいワインとされます)、シャンパンは初めからたくさんの村のブドウをブレンドすることを前提に作られた酒なので、銘柄を村名や畑の名で呼ぶ習慣はありません。ヴーヴ・クリコとかポメリーとかいったシャンパンの銘柄は、全て会社の名前です。
 これらの会社が、シャンパンを作る際にブレンドするブドウは、法律によって、白ブドウのシャルドネ、黒ブドウのピノ・ノワールとピノムニエ、の3品種と決められています。3品種のうちの1品種だけからでも作ってもいいし、全部を混ぜてもいいし、ブレンドはメーカーの自由ですが、とにかくシャンパンの原料はこの3つのブドウでなければならないのです。

レンドは白黒混合が原則で、一般に、白ブドウの比率が増えれば増えるほど、軽やかでスッキリした味になり、黒ブドウの比率が増えるほど、重くてコクのある味になると言われています。たとえば、重くてコクのあるシャンパンの代表のボランジェは、黒ブドウのピノ・ノワールの比率が70%。それに対し、スッキリ系の代表のドン・ペリニョンは、シャルドネとピノ・ノワールが50%ずつ。
そして、そのスッキリ系の極致が、白ブドウのシャルドネだけで作ったブラン・ド・ブラン(=白の白)。テタンジェやサロンなど、多くの会社が作っており、このブラン・ド・ブランからシャンパンに入門される方も多いようです。

って、かのポンパドール女史は、「女性に飲めてしかも美しさを衰えさせないのは、シャンパンのみ」と言ったそうですが、これだけいろいろな秘術が尽くされたお酒ですから、美しさを衰えさせないどころか、もっとすごい魔法をかけてくれるかもしれません。魔法の効果のほどは、右の表に示した、グラス売りのお店でお確かめください。今でしたら、恵比寿ガーデンプレース内のグラス・スクエアにユニマットグループがオープンさせた、ファストフード形式のオール・グラス売りのワイン・バー、『アールギャズ』が、気軽に飲めてお薦めです。


店名場所電話営業時間グラス・シャンパン
BAR 萬西麻布3407・190318:00〜26:00
日祝休
ゴゼ
デュ・パプ他
エスペランス西麻布3401・088019:00〜26:00
日月休
クリュズ
(ビンテージ)
クィーンアリス
レストランW
西麻布5771・588818:00〜23:00
火曜日
ヴーヴ・クリコ
ポメリー他
ザ・バー
(ウェスティン東京内)
恵比寿5423・700017:00〜0:00
無休
ゴセ他
R gath恵比寿5447・183811:00〜21:00
無休
ゴセ・ブリュット
オペラ・ブリュット
(ハーフボトルで提供)
AUXAMIS TOKYO丸の内5220・401121:30〜23:30
無休
ディェボ・ヴァロワ
ルイ・ロデレール他

いわるゆ3大高級シャンパン。左から、豊麗なクリュッグ(ヴィンテージ85¥15000)、野性味のボランジュ(RD82¥16000)、絢爛豪華なルイ・ロデレール(クリスタル・ブリュット89¥15000)。
左の椅子は、シャンパンのフォイルとコルク止めの針金を使って作る椅子。彼氏がシャンパンを飲んだ後でコレを作ったら、かなりの遊び人と思って間違いありません。

シャンパンを瓶の中で二次発酵させると、酵母の死骸は「オリ」となって大量に溜まります。それをとり除くために、右のような棚に瓶を逆さに突っ込み、ゆっくり回しながら口の所に集め、口を凍らせ、氷にしてとり出します。

西麻布の裏通りの『BAR 萬』(電話番号等は表参照)は、業界でも有名な、客層に芸能人が圧倒的に多い、ワイン&シャンパンの専門店。いつ行っても、必ず客席に一人や二人は有名人がいる感じです。

『アールギャズ』(・03-5447-1838)は、恵比寿ガーデンプレースのグラススクエア中央に作られた、ファーストフード形式のワイン&シャンパン・バー。ガラス張りの天井の下の2階分吹き抜けの広場の真ん中に、ガラス張りの高さ4.5mのタワー式ワインセラーがそびえ、それを囲むカウンター全体が、夜になると照明で浮き立つ、オシャレな店。料金は全部前払い制で、数十種類のグラスワイン、世界各国30種類のミネラルウォーターが¥500のワンコインで飲めます。

更新日2002年11月24日
森ビル 免責事項 J-wave